このゲームのテーマは「足掻く事」である。
数と金と権力こそがモノを言う退廃したデカダンスの世界では、
多くの者が無慈悲な簒奪者の手によって絶望の淵に沈んでいる。
そのような悪辣な暴虐の嵐が吹き荒れる煉獄の中、
無力だった者が強大な力を得て嵐の中を生き抜く術を知った時、
己を搾取してきた者へ恨みを込めた反逆の牙を向ける事に何の不思議があろう。
そして、未だ無力な者は強者へと縋り、自分の無念も晴らせと泣きつくだろう。
PLは、「魔女」のPCという分身を伴って邪悪に満ちた退廃の聖都へと舞い降り、
世界を包み込む強大な闇に、魔の力で立ち向かう事となるだろう。
だが、強者を強者たらしめる魔の力の根源は、善ならぬ悪、光ならぬ闇である。
魔術という超常なる力をどのように使うとしても、代償は必ず求められる。
力の誘惑は実に甘美で優しいが、それに飲み込まれれば、破滅へ至る事となろう。
社会の憎悪に飲まれようとも、深淵の泥濘に飲まれようとも、足掻き続ける。
それが、境界に立つ魔女が望む「楽園」へ繋がる、ただひとつの道なのだから。
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