堕落の絶えぬ現世の現状に、天使たちは苛立を募らせ、人間排斥を主張した。
「人間など救うに能わず。我ら天使さえいれば、神への奉仕は十分である」
神は、その主張を退けたが、これが天界の大騒乱を招いた。
天使たちに「神は愚かなり」との認識を与え、
己が神に取って代わるという野心を芽生えさせたのだ。
これにより、神と、神を裏切った天使達の、
天上全域を巻き込んだ大戦乱が巻き起こった。
この反乱は、激しい戦いの末に神が勝利し、
敗北した反乱軍の天使達は、牢獄たる奈落へと堕とされ、
永劫の彼方へ封印された。
奈落の底で堕天使たちは、その高貴なる天使としての姿を、
冒涜的な悪魔としての姿である「黒山羊」へと変質させていった。
こうして奈落の魔王達は生まれ、己の移し身や配下を、
試練の場である現世へ送り込み、様々な思惑で介入を行っているのである。
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