シナリオ進行ルール

1,シナリオの流れ 2,シーン説明 3,フェイズ説明 4,奈落の誘い 5,人間関係チャート

 

 1,シナリオの流れ  
1,シナリオを構成する舞台 

シナリオは [フェイズ] [シーン] の2つの場面によって進んでいく。
フェイズはシナリオを構築する大まかな枠組みであり、
シーンはフェイズを構成するPCが実際に活動する舞台となる。

フェイズには [オープニング] [ミドル] [クライマックス] [エンディング]
4つのフェイズから成り立っており、シナリオ進行の現状を表す。

これらのフェイズを構成する、シナリオの直接の舞台となる[シーン]にて
GMやPLが演出を入れていく事でシナリオは動き出す。

そして「エンディング」のフェイズを終了させれば、「アフタープレイ」に移り、
行ったシナリオでの総決算をまとめる事となる。
 


2,難易度補正 

このゲームはPLが能動的に判定に修正を得られる手段が少ない。
よって、PC人数の少なさは、そのままゲームとしての難度を高める事だろう。
これは少人数、特にPL2人以下のプレイにおいて、大きなプレッシャーと成り得るだろう。

このプレッシャーを軽減したいとGMが思うのならば、
GMは、難易度補正として、PL人数が少ない程に、
そのシナリオ中にPCが行う判定全てに、ボーナス修正を与えるとしてもよい。

補正を適応するなら、PCが1人ならば「+20」、2人ならば「+10」、
3人以上ならば「補正なし」とするのが基本となる。
 


3,リビドーとピュアの初期値決定 

シナリオ開始前、PLは「リビドー」と「ピュア」の初期値を算出し、それをPCに所持させる。
この時の初期値は「PCの作成と成長ルール:@原罪の決定」を参照。
なお、リビドーとピュアの最低値は0点となる。

能力値によって変動する「知識点」「耐久点」「正気点」「幸運点」「財力点」は
能力値一覧と説明で指定された最大数値まで所持する。

キャラクターはこのリビドーとピュアの値どちらかが
0点となった場合、「自暴自棄」の状態となる。
 


4,カヴンの結成 

魔女PC達が集まり、共に行動するための特殊な部隊を結成する。
カヴンについての設定と仔細ルールは「カヴンの説明、その恩恵と制約」を参照。
 


5,必要な一人芝居 

GMは上記のフェイズや通常シーン以外に[マスターシーン]を導入する事ができる。
このマスターシーンではPCは全員登場できず、GMが情景やNPCを使い、
望む描写を行って、PLに事件の裏側を知らせるシーンとなる。
 

 

 2,シーン説明

1,シーンの運用とPCの登場 

フェイズが始まりシーンに移行した場合、
PLは自身のPCをシーンに登場させるかどうかを選択する。
登場しないとした場合、PCはそのシーンには登場せず、
登場すると選択した場合、PCはシーン開始時点に登場する。

シーン未登場のPCがシーン中に登場を望む場合、
[リビドー]の現有値を−5する事で任意のタイミングで登場できる。

逆にシーンに登場済みのキャラクターが退場を望む場合、
GMの許可を得れば即座に退場できる。
登場キャラクター全員が演出や判定を行い、

さらなる進展を求めてPCが全員シーンから退場し、
GMが終了を宣言すると、シーン終了となる。

この時、シーン開始時に登場せず、途中登場も行わず、
一切シーンに登場しなかったPCは、減少した[耐久点]を1点回復できる。
 


2,戦闘への導入と帰還 

シーン中に戦闘が巻き起こった場合、一旦シーン進行はストップし、
戦闘ルールで指定された特殊な時間軸の展開へと移行する。

戦闘シーンが終了すると舞台はシーンへと戻り、
戦闘後の処理や演出を行ってシーン終了となり、次のシーンへ移行する事となる。

戦闘についての詳細は[戦闘ルール]を参照。
 

 

 

 3,フェイズ説明

1,オープニングフェイズ 

PCが黒山羊に無理難題を押し付けられる最初のフェイズとなる。

黒山羊は魔王勢力拡大のため、あるいは自分の欲求のために、
それに必要なものを魔女に求め、それを説明する事となる。

登場するPC達はシナリオの進行をしやすくするために、
「人間関係チャート」を振っておくと時間の節約となるかもしれない。

この時にPC達は合流し、それぞれの目的のために行動する事になるだろうから、
そこでGMは「カヴン」を結成させる事。

GMの導入によりPCが、シナリオに介入するための演出や説明が全て終わった場合、
シーン終了時に、GMはオープニングフェイズの終了を宣言し、ミドルフェイズに移行する。
 


2,ミドルフェイズ 

PCが押し付けられた無理難題や陰謀劇の解決に向けて
本格的な探索や活動を行うフェイズとなる。

ミドルフェイズにおいての基本目的は、シナリオ成功の必須条件を探し当てる事である。
その過程で、PCは様々な調査を行い、時には妨害を受ける事となる。

成功の条件が整った、あるいはGMの指定する時間切れとなった場合、
シーン終了時にGMはミドルフェイズの終了を宣言し、クライマックスフェイズに移行する。
 


3,クライマックスフェイズ

いわゆるボスキャラと呼ばれる、シナリオ最大の障害を切り抜けるフェイズとなる。

多くのボスキャラがPCに対して殺意や敵意を剥きだしにしており、
これを切り抜ける事で、シナリオ成功の最も巨大な条件を満たす事ができる。
そして、クライマックスフェイズ終了時、PC全員は「奈落の誘い」のイベントを行う。
このイベントを経過する事で、シナリオはエンディングフェイズへ移行する。
 


4,エンディングフェイズ 

クライマックスフェイズの結果、PCの辿る行く末を描写する締めのフェイズとなる。

シナリオ目的が達成されないままエンディングフェイズに移行した場合、
黒山羊の野望は頓挫し、魔王勢力の拡大も頓挫するだろう。
魔女もその過程で死亡しているか、あるいは憤った黒山羊の仕置を受けるだろう。
目的を達成して無事に生還したとしても、次の試練がすぐにまたやってくるだろうが、
それまでPCは休息を取る事となる。

シナリオはエンディングフェイズのラストシーンをもって完結し、アフタープレイへ移行する。
 


5,アフタープレイ 

アフタープレイは、PCの役者であるPL達が
後の舞台に向けて行う番外フェイズとなる。

アフタープレイまで至ると、ロストしなかったPCと、
シナリオを開催したGMは[経験点]を得る。

PCが得られる経験点は、
シナリオで使用したPCの「(聖槍レベル+磔刑レベル)×2」となる。

GMが得られる経験点は、
「(PC平均聖槍レベル+PC平均磔刑レベル)×3」となる。

GMが得た経験点は、GMが所有するPCに
任意に振り分けて与える事が出来る。
ただし、この経験点の振り分けはアフタープレイにのみ行える。

こうして得た経験点は、PCの能力値を成長させたり、
シナリオ中に経験点を代償とした特典を得る事が出来る。

ただし、経験点で成長させたPCの使用や、
シナリオ中の特典発動の際には、GMの許可を取る事。

経験点配布が終われば、今後の話し合いや雑談をして、
それも終わればプレイ終了の挨拶を済ませて解散しよう。
なお、散らかしたゴミはそのままにせず、ちゃんとそれぞれが回収して処分しよう。
 

 

  

 4,奈落の誘い

1,深淵に堕ちる魔女 

様々な試練を成し遂げた魔女たちに襲いかかる最後の試練、それが奈落の誘いである。
魔女は楽園へ至る手段として冒涜の魔術を手に入れ、その代償を支払わなければならない。
魔王から得た魔術を行使する事は、奈落へ繋がる世界の綻びから、世界を改竄する力を
得ているに等しく、それは奈落と世界が魔女を通じて繋がっているという事でもある。

このため、魔術を行使し続ける魔女の魂は、徐々に現世から奈落へと傾いてゆく。
そして魂が完全に奈落へと染まりきった時、奈落から魂を通じて異形が現世に現れる。
異形は魔女を奈落へと引き釣り込み、魔女は現世から喪失してしまうのだ。

これが「奈落の誘い」であり、魔女が最も恐れる魂の破滅である。
楽園へ至るために力を求め、魂を奈落に染め上げる魔女にとって、
この誘いを受けるか否かは、非常に重要だが、同時に危険な試練として恐れられている。
 


2,誘いへの抵抗と失敗の代償 

クライマックスフェイズ終了時、魔女のPCは「奈落判定」を行う。
この時、「リビドー値÷現有正気点」が判定ペナルティとして適応される。
(現有正気点が「0」の場合、「÷1」として扱う。)
さらに、任意で現有ピュアを1点使用する毎に、[+3]のボーナスを得る。
なお、あえて故意に判定を放棄し、失敗する事も可能である。

判定に失敗した場合、その魔女は聖槍レベルが+1される。

判定に成功した場合、その魔女は磔刑レベルが+1される。


最終的な目標値が「0以下」となっていた場合、「奈落判定」は自動的に失敗する。
さらに、「猟犬」と呼ばれる奈落の異形が、魔女の魂を伝って現世に顕現する。
猟犬の姿は、輪郭が犬を彷彿とさせる以外は似ても似つかない異形の猛獣であり、
猟犬は魔女を奈落へと引き摺り込み、PCは完全にロストする。
この猟犬に抗う事はできず、何者もこの異形を打ち倒す事は出来ない。

奈落へ落ちた魔女は以後、煉獄を超える災厄の世界を彷徨う事となる。
エンディングフェイズでは、異形なる者どもの世界で、
堕ちた魔女が人智を超えた冒涜の洗礼を受けるシーンとなるだろう。
 

  

  

 5,人間関係チャート

【PCの関係】

行動を共にする魔女達の間において、人間関係は重要なポイントとなる。
互いの関係をある程度把握していればシナリオをスムーズに進行できるからだ。
このチャートは、PC間の関係だけでなく、NPCとの関係を手軽に決定する際にも役に立つだろう。
PCと、聖職者NPCの関係が共に欲情や慕情だった場合、その時点でドラマが生まれるに違い。

番号順にこのチャート振っていき、
最後の番号の者は最初の番号の者へ関係を結ぶ事になる。
例によって1D10でチャートを振るダイスロールと、
任意に指定するチョイス、どちらでチャートを適応しても構わない。

1D10 関係 人間関係の説明
欲情

貴方は相手に対して常に夜のベッドを共にしたいと考えている。
好みにあうかどうかは相手と自分の性癖次第だが、
とりあえず実際に1回だけ肉体の相性を確かめてみるのも一興だろう。
もちろん、相手がそれを素直に了承してくれればの話だが、
駄目なときは無理矢理にでも、という欲求も湧いてくるのが困り物だ。

縁者

貴方には相手に対してまるで家族のような親近感を抱いている。
それは相手が君の家族に似ているからか、
それとも幼馴染を彷彿とさせるからか、あるいはその当人か。
ともあれ君にとって相手は自身の半身ともいうべき相手であり、
恋人関係でなくてもそれなりの手助けをしても構わないと思っている。

友人

貴方は相手に対して、共にプライベートを
適度な距離感で付き合いたいと思っている。
相手との会話は楽しく、共に様々な遊びをした時は
良く気があうものだと親しみを持つだろう。
それが異性愛にまで発展するのかは状況によって様々だが、
すくなくとも相手に嫌われなければ、悪いようにはならないだろう。

対抗

貴方は相手に対して対抗心を激しく燃やしている。
それは愛情を向けた者との恋の鞘当てか、
それとも何かしらの実力で競いあう事に執念を燃やしているのか。
兎に角、相手は良くも悪くも腐れ縁ともいうべき好敵手であり、
次はどう対抗するべきかと複雑な感情を抱いている。

貸借

貴方は相手に何かを貸しているか、それとも借りているものがある。
それは金銭かもしれないし、あるいは恩義かもしれない。
ともあれ、君は相手に対して、それを返済したい、
あるいは返済してもらいたいと常々思っている。

同情

貴方は相手に対して何処か
自分に似ているところがあると思っている。
その奇妙な感覚が君はどうにも気になってしまい、
よく相手に対して同情心を抱いてしまう。
それが相手にとってどう思われるのかは様々だが、
君はまるで自分のように思ってしまう相手を放っておけないだろう。

悪友

貴方は相手に対してどうにも口が荒くなってしまい、
相手の怒りを買って喧嘩をしてしまう。
しかし相手を憎む事ができず、
喧嘩をしてない時は何故だか妙な寂しさを感じてしまうほどだ。
相手も同じは定かではないが、
君は今の付かず離れずの関係を何処か心地良く思っている。

干渉

貴方は相手に対して、
どうにもいちいちお節介や過度な干渉をしてしまう。
相手が危なっかしいのか、父性愛や母性愛を
沸き起こさせるのか、理由は様々であろうが、
君は相手に対して、大きなお節介を焼いてしまう。

慕情

貴方は相手に異性愛ともいうべき慕情の念を抱いている。
ひょっとしたら同性愛かもしれないが、
とにかく君は相手のためなら多少の無茶でも
できそうな自己犠牲愛が湧いてくるだろう。
もっとも、その相手が特定の一人だけとは
限らないところが、魔女の魔女たる所以なのだが。

10 前世

貴方は、前世で相手と深く結ばれた縁があると思い込んでいる。
それは王女と騎士の関係だったり、
悲運に踊らされ将来を誓い合った仲かもしれない。
はたまた、世代を超えた敵同士という
因縁めいた関係であるのかもしれない。
それが真実であるか、妄想であるかは
今はわからないが(十中八九妄想だろうが)、
とにかく君は相手に対して強い運命を感じている。

敵意

貴方は何かの理由で相手を打ち倒さなければ
ならないという衝動や使命感を持っている。
それには様々な理由があるだろうが、
貴方にとって看過できない事であっただろう。
敵意を向ければ敵意で返されるのは必然、
故に返り討ちにされぬよう警戒しなければならない。

 

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