魔女と魔術と黒山羊の館

 1,無垢なる夢と白き少女 2,聖槍と磔刑の魔女 3,魔術とは
 4,黒山羊の館 5,魔女の義務 6,7つの大罪と美徳
 7,魔女の葬列

 

 1,無垢なる夢と白き少女
魔女になる者は、啓示とも言うべき不可思議な夢を見て魔女となる。
それは、「無垢なる夢」と呼ばれる、魔王からの啓示である。
夢の内容は基本的に以下のものとなる。

夢見る者は、最初、深い霧に包まれた光景の中をさ迷い歩いているが、
やがて霧は晴れていき、己が望む願望を形にした楽園へと風景が変化する。
その楽園と足を踏み入れると、白いドレスに身を包んだ、12歳ほどの少女が現れ、
夢見る者を、玩具を見つけたような笑みで見つめると、次の聖句を唱える。

「求めよ。さらば与えられん」

すると、夢見る者の身体の何処かに、「槍のような文様」、
あるいは「十字架のような文様」が痛みもなく刻まれる。
直後、足元から沸く奈落の闇に飲み込まれ、そこで夢は終わり、目が覚める。
そして夢の中で文様を刻まれた箇所を見れば、そのままに文様が刻まれ、
同時に、魔術の知識と行使の手段を得ているのだという。

それこそが「聖槍(せいそう)の烙印」「磔刑(たっけい)の刻印」と、
呼ばれる「魔女の印」であり、その文様を媒介に、
魔女は原罪の魔術の行使を行えるようになるのである。

この「無垢なる夢」に現れる少女は「アリス」と呼ばれており、
魔王が強い望みを持つ者を察知すると、その者を魔女とするべく
アリスを使いとして夢の中に送り込むのだと言われている。
 

 

 2,聖槍と磔刑の魔女
1,文様の魔女
魔女の証、それが「聖槍の烙印」と「磔刑の刻印」である。
聖槍の烙印は、かつて古き神の子を貫いたとされ、
手にした者に世界を与えるという「聖槍」を模した烙印であり、大罪の象徴としてされる。

磔刑の烙印は、美徳を貫いたが故に磔刑に処され世界を去った、
古き神の子を縛る「十字架」を模した刻印であり、美徳の象徴とされる。
聖槍の刻印と磔刑の烙印は大罪や美徳の種類によって
微妙に細部が異なっており、それを知る者であれば容易に判断する事ができる。

このどちらかの文様が強く完成形に近く刻まれているかによって、
魔女は「聖槍の魔女」あるいは「磔刑の魔女」と区別されている。
試練の果てに、烙印あるいは刻印を完成させた魔女は、
己が望む楽園へと足を踏み入れ、その住人となる事ができると言われている。
 

2,魔女という人間として
魔女となった者は魔術を行使し、
通常の人間を超えた力を振るえるようになるが、
上記にあるように、烙印と刻印は魔女となった当初は
完成形に程遠く、不完全なものである。

それは、まだ魔女が「人間」である証であり、
魂までも闇の存在に染まった訳ではないという事でもある。
不完全な魔女は魔女となる以前通りの意思を持ち、
人間の心や理性という「正気」を保った、力ある人間に過ぎない。

楽園へと至る為には、魔女は文様を完成形にする必要があり、
そのために魔女は黒山羊の試練を受ける事となる。
 

3,楽園を阻む茨道
「原罪」を持ち、さらに様々な試練に直面し、
それを乗り越えた聖槍の魔女は、「聖槍の烙印」がよりはっきりと刻まれる事となる。

この烙印は大罪を背負う魔女としての証明であり、
一般人や聖職者に見られた場合、問答無用で「魔女」と扱われるであろう。

そして異端査問会の調査の課程には拷問も含まれ、
その殆どが無実でありながら、そのまま火刑台へと送られる。

聖槍の魔女と同様に、磔刑の魔女も試練を乗り越える事で、
「磔刑の刻印」が強く刻み込まれるが、古き伝説にある
美徳の象徴の刻印を持つ者が魔女となる事は、
オカルティストの中でも大きな皮肉と捉えられている。

だが、古き神を否定するカヴェル教団にとっては、
磔刑の魔女は聖女ではなく、悪魔の情婦、魔女として扱われる。
カヴェル教団にとっては、磔刑の魔女も文字通り磔刑に処すべき
罪人の証明であり、教団に付け狙われる事に違いはないのだ。
 
 

 

 3,魔術とは
1,魔術の原理  
魔術は、矮小なる人間の生まれ持った力では到底成しえない、
奇跡ともいうべき現象を実際に呼び起こす、恐るべき力を秘めている。

その魔術を行使するためには、生命が持つ力の根源であり、
魔術の魔力の源泉である「リビドー」を高める事が重要となる。

リビドーとは生物を生物たらしめる象徴、源であり、
特に性癖を満たす際のリビドーは、もっとも抽出しやすく、そして最も強く輝くとされる。

そのリビドーの輝きこそが、魔王が住むと言われる世界「奈落」から、
魂を通じて冒涜的な奇跡を顕現せしめる重要な要素とされており、
魔女は様々な手段で己の欲望を高め、それを充足させていく事で、
世界法則を"改竄"し、顕現させた恐るべき魔術を発動するのである。
 

2,覗く深淵  
欲求を満たす事で得るリビドー、それにより生み出される魔力は、
魔術の行使を可能とするだけでなく、常人を越えた肉体を魔女へ与える。
そして魔術の行使時は素晴らしい開放感を得えられるが、同時にリビドーを消費してしまう。

リビドーの消費とはせっかく満たされた悦楽を失うという事であり、
魔女は猛烈な開放感と直後の欲求不満に襲われ、次第に欲に溺れる事となる。
それは魔術の乱用や、精神の退廃を容易に招くものであり、
その果てに、欲の渦に飲み込まれ、魂が境界を超えて奈落へ堕ちる事も珍しくはない。
 

3,魔女を繋ぎ留める楔  
魔術は人間が扱うには強大すぎる異能であり、
魔術を行使する魔女は常に奈落という深淵と隣り合っている。

この、恐るべき真の地獄から、
魔女を現世に繋ぎとめている楔が「ピュア」と呼ばれる要素である。

ピュアとは、魔女が今いるこの煉獄の世界を肯定し、
世界に存続し続ける意思や郷土愛から生まれる。

また、奈落へと至る魔女を繋ぎ止めているのはそれだけではなく、
魔女を必要とする他者の存在も、絆という楔「ピュア」となって魔女を引き止める。

この絆があるからこそ、魔女は奈落へと滑落せず、現世に留まる事ができるのである。

具体的には、魔術に対する抵抗カヴンでの「ワルプルギスの夜」の発動、
「奈落の誘い」での「奈落判定」の成功率上昇の要として必要となる。
 
 

 

 4,黒山羊の館
1,サバトハウス
無垢なる夢で印と共に魔術の行使の手段を得た魔女は、
「サバト」という魔女達の集う組織へと組み込まれ、
そして、その拠点たる「サバトハウス」へ至る転移魔術を得る。

サバトはその内に様々な派閥が構成されており、
多くの魔女は一つの派閥に所属しているが、
中には複数の派閥に所属したり、あるいは派閥に属さない魔女も存在する。

サバトハウスは、魔女達の導き手である「黒山羊」が
管理する居住区であり、別次元の異空間に存在している。

サバトハウスに転移する場合、太陽が完全に沈んだ時間に、
魔術の発動条件(詠唱、もしくは身振り手振り)を満たせば転移できる。

内部は基本的には王宮の宮殿を彷彿とさせる豪華で荘厳な神殿となっており、
メンバーにあわせた私室等の様々な施設が存在する。

サバトハウスから出るには、転移魔法陣の上で念ずるだけでよく、
自身がサバトハウスに侵入する直前にいた地点に転送される。
この時、サバトハウスに魔女が誰かを招きたい場合は、
相手の手を握り、かつ黒山羊が許可すれば、相手も招く事ができる。

ただし、転送先に何かしらの障害物が存在する場合、
そこから最寄の余裕のある空間が転移先に指定される。
勿論、転移を一般人などに目撃されれば通報されうるため、
サバトハウスへ入る時は周囲に気をつけなければならない。

なお、サバトハウスの中での時間の流れは現実と一緒であり、
その中で暮らす場合も普通に年齢を重ねていく事となる。
 

2,黒山羊について
魔王の配下であり、サバトハウスの管理者である「黒山羊」は、
実に様々な姿と名前、そして性格を持っている。
唯一共通している事は、魔女を凌ぐ強大な力を有している事と、
魔女たちの特権の保証と義務の遂行の管理者としての責務である。

魔女達は黒山羊から様々な使命を受け、社会の闇に暗躍する事になるが、
黒山羊の支援は最低限に留まり、使命達成には魔女達の実力が求められる。

それぞれの黒山羊は、自身が盟主となる派閥を持っており、
基本的に己の派閥に属する魔女へと使命が与えられるが、
別の黒山羊の派閥に属する魔女や、無所属の魔女をも巻き込む事がある。

これら黒山羊達は、サバトハウス内部に各々の居城を創り上げており、
それぞれの城の内装は、黒山羊の趣味嗜好に大いに左右されている。

デカダンスにはプルガトリウムを代表する黒山羊が8人用意されているが、
GMはこの他にも独自に黒山羊NPCを用意しても構わない。
 

3,サバトハウスでの生活
サバトハウスの中で生活する場合、
寝所や浴場などは王侯貴族並の心地良さを味わえるだろうが、
食事に関してのみは何故か豪奢な内装とは程遠く、
非常に味気なく、質素で、不味いものとなる。

その味気なさは最貧民クラスであり、
修道女の経験を持つ魔女でさえも「これはない」と
証言する程のつまらない食事となる。

もちろん嗜好品などあるわけもなく、
衣服や酒、タバコ、麻薬などは外に出て仕入れなければならない。

魔女たちの中でそれらの嗜好品を持ち込み、
分け与えたり商売を行う事も管理者の黒山羊によって禁止されている。

よって、サバトハウスで快適な生活を企む魔女も、
次第に食事や娯楽の欲求のために、外へ出なければ満足できなくなっていく。

サバトハウスにおいては魔女たちは
自分たちの部屋で気ままに快楽にふけっているか惰眠を貪るかをしており、
食堂やロビーでは魔女が集まり、かしましい懇談や相談、
愚痴などを毎日のように零している。

これらの魔女の懇談会に黒山羊が参加する事もあるが、
魔女たちを萎縮させる事に繋がりやすいため、盗聴に留めるものが多い。

暇な魔女が他の魔女に悪戯を仕掛ける事もあるが、
基本的に魔女たちの間でトラブルを生む行動はご法度である。
これはサバトハウスの規律というよりも、魔女たちが
保身のめに作ったルールのため、魔女の仲違いに黒山羊は介入しない。
 

4,ロビーと魔女のお茶会 
サバトハウスは異次元に存在しており、
この立地に囚われない特殊な亜空間を利用した施設が「ロビー」である。

このロビーは様々なサバトハウスと繋がる、
一種の独立した施設となっており、魔女が多数集うサロンとなっている。

ロビーは豪奢な絨毯や優雅な壁紙、
綺羅びやかなシャンデリアによって彩られており、
社交界のダンス会場さながらの内装となっている。

ここで魔女たちは互いの情報交換を行い、
たまに戯れで地上での逢瀬の約束を交わすなどの
個人間の交流が常に行われている。

そのため、人間関係のトラブルがよく頻発しており、
時には魔術を使った啀み合いまで行われる事もある。

これを防止するため、ロビーには結界が張れており、
魔女は魔術を発動させる事が一切不可能となり、
武器の持ち込みも禁止となっている。

また、このロビーを活用するのは魔女だけではなく、
黒山羊も魔女達や他の黒山羊の様子を観察しに現れる事がある。
もっとも、黒山羊は魔術を通じて姿を表さずとも
ロビーの様子を観察できるので実際に姿を見せる必要はないのだが。

この時、黒山羊に見初められた魔女は、
極めてはた迷惑なトラブルに巻き込まれる事が多い。
災厄に見初められた魔女達は、それが単独での達成が難しいと判断した場合、
協力者の魔女を集い、共に試練をくぐり抜ける仲間を作るパーティーを結成するのだが、
このロビーはその仲間を見つけるのに最適である。

このため、常に誰かしらの魔女がロビーで寛いでいるので、
これらのロビーでの魔女の集いは「魔女のお茶会」と呼ばれている。
 
 
5,禁書室  
カヴェル教団によって焚書処分となった書物や、
世に出ると危険をもたらす書物「禁書」を保管している書架が、禁書室である。

禁書室の司書であるダンタリアンは黒山羊であり、
書架に収められている全ての本の管理者でもある。

黒山羊の広大な書架では魔力を持った魔導書も保管されており、
最も利用される魔道書は『大罪の系譜』と呼ばれる記録書である。
この記録書は常に内容が書き変わっており、
大罪を抱える事件が抽象的に記されている。

魔力のないただの書物は自由に閲覧できるが、
危険な禁書の閲覧には、管理者であるダンタリアンの許可が必要となる。

上記の『大罪の系譜』は全ての魔女が閲覧可能な例外的な禁書だが、
それゆえに一つの案件において閲覧者間で大きな問題を起こす危険を孕む。
閲覧者が協力関係で結ばれた者同士であればよいが、
そうではない魔女との遭遇は壮絶な潰しあいへと至ってしまうからだ。

しかし、多くの黒山羊はそれらの闘争には自ら関与しておらず、
むしろ魔女の対立を煽動している向きさえある。
 
  

 

 5,魔女の義務
サバトハウスという特殊な施設を利用する権利を持つ魔女達だが、
当然その権利に付随する義務も存在する。

それが魔王アスモデウスの勢力を広げるために、
黒山羊達の手足となって、与えられた使命を果たす事である。

黒山羊が魔女に与える使命は、往々にして教団の秩序を乱す事を重視している。
そのために、問題を起こしそうな危険人物を監視し、それが実際に行動を起こした際、
その事件を利用して、己の目的を達成出来るような陰謀をしばしば企んでいる。
時には「聖石」や「禁書」を巡って、複数のサバトを巻き込む大事件に発展する事もある。

これらの使命は魔女にとって絶対であり、
これを拒む者や、サバトを裏切る者に対しては、黒山羊自らの制裁が下される。
ある者は魔王の世界である奈落へ人の身で堕とされる、
あるいは意思持たぬ忠実な人形とされるなど筆舌にしがたいものばかりである。
当然、魔女となった者がサバトから抜け出る事も決して許されず、
脱走した魔女は裏切り者として永劫に追い続けられる事となる。
 

  

 6,七つの大罪と美徳  
PCである魔女は「楽園」を目指して魔王と黒山羊の下僕となり
彼らの戯れに困難な試練を押し付けられるのだが、
黒山羊は魔女たちに教える数少ない楽園への道しるべとして、
「七つの大罪」と「七つの美徳」の存在を示唆している。

七つの大罪とは古来より伝わる
「憤怒」「怠惰」「傲慢」「暴食」「色欲」「強欲」「嫉妬」であり、
誰しもが心の奥底に忍ばせる負の感情である。

黒山羊は「これらの大罪を避けるのではなく、
あえてそれらの大罪と向きあう事こそが、
楽園という地平線へ至る銀の鍵を得る手段である」と語る。

抽象的で具体性を欠くこの教えは魔女たちに
多くの苦悩と苦難の道を歩ませ、破滅へと突き進ませていく事になるが、
黒山羊はただ、それら魔女たちの呻きと足掻きを、
まるで、お気に入りの人形が愉快に踊る様を見るかのように、微笑み見つめるのみである。
 
七つの大罪が人類の古来からの業としてつきまとうように、
それと対となる、「七つの美徳」も存在する。

それは「慈悲」「勤勉」「謙譲」「節制」「純潔」「救恤」「忍耐」からなっており、
それぞれが順番に上記の大罪と対となっている。

これらの美徳は大罪と共に古来より伝えられし人間の側面であり、
大罪を持つ者もこれらの美徳を同時に持っているとされている。

この大罪と美徳は表裏一体であり、そして対となる事から、
「原罪」を持つ者は、同時にそれに対応する「美徳」も持つと言われている。

ある神学者はこの大罪と美徳について、人間は個人が望む方向性によって、
「大罪」と「美徳」、どちらが表に現れるかが決まると言う。

つまり、大罪の「原罪」を背負っている罪人は、
それと同時に、大罪に対応する美徳も背負っており、
個人の精神や魂のあり方が善き方向へ向かえば、
「原罪」が「美徳」によって、赦免され、救済されると、カヴェル教の聖典は伝えている。

磔刑の魔女はまさにその美徳を強く象徴する魔女であり、
黒山羊は磔刑の魔女に対して、美徳だけでなく大罪と向きあう事を奨励している。
 

 

 7,魔女の葬列
魔女の魔術の中には死者蘇生をもたらすものがあり、
黒山羊も骨からでも死者を蘇生する術を持っている。

この事実は魔女と戦ってきた異端査問官に嫌というほど実感させ、
世間の風評においても事実以上の不死性を魔女にもたらし、
教団はいかに魔女を確実に滅殺可能かを試行錯誤してきた歴史を有する。

その試行錯誤の結果、教団は「埋葬の儀式」を完成させ、
そして蘇生妨害のための道具を生み出した。
その代表が魔女裁判の悪しき象徴である「火炙り」であり「鉄の処女」である。

火炙りによって全身が損壊した魔女の蘇生は至難を極め、
死体の一片も盗まれぬよう棺に一纏めに収められて
墓場に特別に埋葬された死体は一部を持ち出す事も困難であり、
葬式による祝福儀礼は黒山羊による蘇生をも阻んだ。
そしてただの棺ではまだ心もとないと、
内部を串刺しにする仕掛けを有する魔女のための棺、
祝福を受けた「鉄の処女」を生み出した。

異端査問会だけでなく、魔女を恐れ忌避する信仰に敬虔な人々は、
近しい者が魔女の手先として蘇生されぬようにと、あえて墓には埋めず、
身元がわからぬように遺体に凄惨な蘇生防止処置を施して各地に無作為に散骨した。
邁進した異端査問会と教団に扇動されヒステリー状態となった魔女狩りの民衆の襲撃を受け、
不死の魔女は一時期その数を大いに減らす事となった。

魔女はこうして完全に蘇生の機会を絶たれた同胞や蘇生を望まぬ同胞のために、
同じ魔女としての闇の葬式を行なう習慣を有する。
葬式の段取りや内容は教団が行なう葬式とよく似ているが、
その神秘性を与える名は欺瞞の神ではなく黒山羊や魔王である。
蘇生叶わぬともその死体を取り戻したならば、「遺骸」はサバトハウス内の墓場へと葬られる。
魔女狩りにて肉体と社会的名誉を粉々に砕かれた魔女はこうして「家」へと戻り、
同胞の内にて尊厳と名誉を取り戻すのである。

こうした経緯のため、魔女であれば完全なる死をもたらす象徴のために、
魔女でなければ遺族が魔女の家族とされるが故に、
火炙りや火葬の対象となる事はカヴェル教国全域から忌避されている。
 

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