カヴンの説明、その制約と恩恵

1,カヴンの説明 2,制約と恩恵

 

 カヴンの説明 
1,もう一つのサバト

ロビーでくつろいでいた魔女達が黒山羊から試練を与えられた時、
あるいは仲間内で連携して何かを成そうとする時、
それらの魔女は「カヴン」と呼ばれる集団を結成する。

「カヴン」は魔術を得たとはいえ非力な人間である魔女が、
互いに連携を取りやすくするために黒山羊が与えた大きな恩恵の一つである。

カヴンの中では、司祭長を頂点とし、その他の魔女が助祭となって補助するという、
いわゆる即席のミニサバトのようなものとなっている。
 


2,カヴンの結成条件

カヴンの結成は、魔女の中からリーダーとなる「司祭長」を
相談で選出し、任意の黒山羊1人の承認を取る事で行える。

以後、承認した黒山羊が魔女達の仮の主となり、
魔女達はその黒山羊の命に従わなければならない。
 


3,ワルプルギスの夜

黒山羊はカヴンを通じて加護を魔女たちに与えており、
カヴンは魔女が集まっただけの集団とは比較にならぬ存在となる。

特に「ワルプルギスの夜」と呼ばれる加護は、
カヴンが魔女の集団という事を強く印象づけるものであり、その象徴となっている。

ワルプルギスの夜の加護を発動すると、
周囲の世界が異次元に隔離され、
奈落を彷彿とさせる異様な光景の世界に包まれる。

その空間では魔術の発動が非常に安定し、
魔術の行使に大きなボーナスを得る事ができる。
 


4,世界を侵食する代償

ワルプルギスの夜の光景について、奈落の光景を写しとった、
奈落そのものに転移した、魔女の心象風景を表したなど多くの説があるが、
魔女が任意にワルプルギスの夜の光景を指定できるという特性から、
魔女の精神世界を投影したものであるというのが有力となっている。

そして、世界を隔絶するという事は、世界と深淵の間を狭める事でもあり、
発動すると、カヴンの魔女は大量のピュアを失ってしまう。

このため、ワルプルギスの夜の多用は、カヴンの魔女全員を
容易く奈落へ堕としかねない危険極まりない一面もあり、
魔女の導き手である黒山羊は、その発動に関して強い制限を設け、
状況によっては一切許可を出さない事もある。
 


5,許されぬ逸脱

カヴンには相応の代償と制約があり、
後述の「カヴンの鉄則」と呼ばれるルールを絶対的に守る事を要求される。

これは背徳者という側面上、内部対立が激しくなりがちな魔女の世界において、
無駄な死人を出さないための救済処置でもある。

魔女たちはこのカヴンを結成し、団結して試練に立ち向かう事で、
魔女としての力を強め、楽園へ近づいていくのである。
 

  

 

 制約と恩恵

PC達が、それぞれの事情は違えど共に目的を同じくして集団行動する際、カヴンを結成できる。

カヴン1つの最大許容人数は6人であり、人数に空きがあれば、
司祭長の黒山羊の許可を得る事で、新たに他者を途中参入させる事ができる。

この時、魔女でない一般人、さらにはカヴェル教団の聖職者でさえも、
黒山羊が認めるのであれば、途中参入する事が許される。

 
 カヴンの鉄則 カヴンに属する魔女への制約
司祭長の選定

カヴンを結成する魔女の中から
1人「司祭長」を任意で選定し、その他の魔女は「助祭」となる。
カヴンの主導権は司祭長に委ねられる。

仮主への従属

司祭長と助祭は、カヴンを承認した黒山羊を仮の主として扱い、
黒山羊の命令には絶対服従しなければならない。
ただし、黒山羊への意見は許される。

また、原罪の庇護「黒山羊の〜」と名のつく魔術を行使すると、
カヴンを承認した黒山羊が召喚され、他の黒山羊は指定できなくなる。

淑女協定

同じカヴンに属する魔女へ、敵対的な行動を実際に行う事は許されない。
たとえ不意を打ったとしても、黒山羊の目は誤魔化す事が出来ぬと心得よ。

制約の罰則

上記のいずれかに反した者は、カヴンを承認した黒山羊が
その行動の是非について裁定を行い、該当者は制裁を受ける。


 黒山羊の加護 カヴンを結成する事で得られる魔女への加護
背徳の同志

同じカヴンに属する魔女は、
互いの魅力、性格、性癖、原罪を、
確認せずとも大まかに把握できる。


また、魔女が「箱庭の扉」を発動させた場合、
その対象を「術者から6PT以内に存在する、同じカヴンの魔女全て」にできる。
なお、転移先は、サバトハウスの「ロビー」となる。

楔の輪

互いの視界内にいる魔女間はピュアを共有し、
それらの魔女は共有したピュアを使用できる。
ただし、他者のピュアを使用する際は、当人の許可が必要となる。

ワルプルギス
の夜

カヴンは、司祭長の許可を得て
「ワルプルギスの夜」と呼ばれる特殊な異能を、
総合「カヴンの構成員数×3点」のピュアを捧げる事で、
発動する事を許される。

ワルプルギスの夜を発動すると、
シーンの舞台となっている空間が世界から隔絶され、
登場していた者全員が異次元へと転移される。

転移先の異次元空間は、基本的に通常の空間ではありえぬ
不可思議な構造や様相を呈しているが、
この光景は発動者が任意に決定できる。

また、この空間内では「太陽が沈んでいる時間帯」、
そして「月の状態は新月」として扱う(明かりの必要はない)。

この空間にいる間、全ての魔女は魔術の行使時、
[発動判定]に+20の修正を受け、[消費値]が半減する。
この効果を受ける「すべての魔女」というのは、
発動したカヴンに属さぬ魔女も含められている。

このワルプルギスの夜は1シーンの間持続し、
時間が経過すると世界は復元される。
転移していた者達も元の世界で転移した場所に帰還し、
空間の隔絶により起こったパニックは
当事者以外には「なかった事」に改竄される。

ワルプルギスの夜は、1シナリオ中1回のみ発動できる。

  
1D10 ワルプルギスの夜の光景チャート

全ての構造物が鉄やアスファルトによるものであり、
木々や川などの自然は一切存在せず、時折青い光が地中から放たれる。

人の手によるものとは思えぬほどに荘厳な宮殿が中央に立つ、
美しく調和と統制のとれた建築物が並ぶ理想郷のような情景。

すべての空間が無限に存在するかのような回廊であり、
その無限回廊には開かぬ扉が並んでいる。

オブジェの輪郭が冒涜的なまでにねじ曲がっており、
平衡感覚が失われ角度に落ちるかのような錯覚を生む構造物に囲まれる。

天井がなく、壁となって遮るものは未知の言語の文が刻まれた
巨大な石版の羅列であり、その石版は横幅2M縦幅10M程の高さである。

そこかしこの床や壁から、周囲の地形と同じ材質の
ミイラ化した人間の体や人骨の様々な部位が数百、数千と無数に突き出している。

歪んだラッパやフルートの音色が聞こえてくる天地のない深淵の中であり、
だまし絵のように逆さまや真横に人やオブジェが立つ。

天に聳える高さの無数の鉄骨が無造作に突き刺さる赤茶色の大地に、
鉄骨で編まれた立体通路で構成された建造物が並ぶ。

全ての構造物やオブジェが、
グロテスクな肉塊で構成されたかのような光景に包まれる。

10

世界中の様々な異文化を無造作かつ乱雑に詰め込んだかのような
内装や外装の構造物が立ち並ぶ。

 

戻る