【 ゲーム進行の解説 】 
 
シーン》 《シナリオフェイズ》 《アフタープレイ》 《NPCの種別》 《戦闘バランス
 
《 シーン 》

 ゲーム中に、ゲーム世界を描写する場面がシーンとなります。ゲームキャラクターは、このシーン内で実際に活動を行なっていきます。

  
◇ キャラクターシーン

 PCが登場し、ゲーム進行のために活動していけるのは、原則として、このキャラクターシーンとなります。

 シーン開始時に、GMはPCを任意に指定します。そのPCが最初からシーンに登場しているとして運用します。この時に指定されたPCは「シーンキャラクター」と扱われます。シーンキャラクターは、個人でも複数人でも構いません。この時、シーンプレイヤーは、指定されなかったPCを「同行人」として、共に登場する事をGMに希望出来ます。

 シーンキャラクターに指定されなかったPCも、そのシーンの途中から、登場を宣言する事ができます。途中登場を宣言したPCは「登場判定」を行い、成功すると、途中登場出来ます。「登場判定」の目標値は通常は「5」となります。

 キャラクターシーンに登場しなかったPCは、〈戦闘不能〉の解除と、HPAPの回復を行えます。その際の回復量は、HPが「2D6」、APが「1D6」となります。〈戦闘不能〉解除時は、HP運命点まで回復した上で、HPAPの回復を行えます。

 
◇ マスターシーン

 PCが登場不可であり、PCの知る所ではありませんが、PLには知っていて欲しい情報を伝えるシーンとなります。

 黒幕の陰謀や、NPCに迫る脅威を演出する際に、このマスターシーンを利用する事で、メタ的な誘導をPLに直接行えるでしょう。

 マスターシーンは、PLが退屈にならないように、基本として短めにしておく事を推奨します。

 
◇ シーンの区切り

 シーンが何時から何時まで続くのかという判断は、そのシーンが「何をするためのシーンなのか」という事と強く結びついています。

 「合流するシーン」「聞き込みを行うシーン」「地上一階を探索するシーン」等のように、GMはシーンの背景をおおまかに設定し、結果はともかく、それが終了した場合に、場面転換としてシーン終了を宣言し、次のシーンへ移行すると良いでしょう。

 シーンの主な舞台となる場所から別の場所へ移動した時に、シーン終了を宣言して移動先で新たなシーンを開始するのも、手軽な区切り方です。

 
 
《 シナリオフェイズ 》 シーン》 《アフタープレイ》 《NPCの種別》 《戦闘バランス
 

 ゲーム中、シナリオの進み具合を表すのが、シナリオフェイズとなります。「オープニング」「ミドル」「クライマックス」「エンディング」の4つのフェイズがあり、それらのフェイズ進行の中で、GMはシーンを必要に応じて導入していきます。

 
◇ オープニングフェイズ

 シナリオの中心となる事件に、PCを誘導するフェイズとなります。

 傭兵であるPCは、災害対策傭兵斡旋所から紹介された依頼を受ける事で、現地に赴く前の準備を拠点で行い現場に出発する、という流れが基本となるでしょう。PCはこのオープニングフェイズにて、GMの許可を得れば、兵科とアイテム常備化の再編成を行う事が出来ます。GMは、PCがそれが可能な施設を利用できるか否かを判断材料として下さい。また、この時にPCが「調達判定」を1回づつ行えるとするとよいでしょう。

 GMは、本編に介入するための演出や説明、準備が全て終わったと判断した場合、GMはオープニングフェイズの終了を宣言し、ミドルフェイズへ移行します。

 
◇ ミドルフェイズ

 シナリオの中心となる事件に、本格的に入り込んでいき、解決のための調査や探索を行なっていくフェイズとなります。

 基本として、事情を知っていると思わしき人への聞き込みや、事件の原因がありそうな危険地帯の探索を行う事になります。エネミーとの戦闘が最初に起こるのも、このミドルフェイズとなるでしょう。

 GMは、ミドルフェイズでのPCの活動により調査や探索が完了し、トラブルの原因を直接解決する準備が整った等と判断した場合、ミドルフェイズの終了を宣言し、クライマックスフェイズへ移行します。

 
◇ クライマックスフェイズ

 シナリオの中心となる事件の原因と、直接対決を行うフェイズとなります。ミドルフェイズでの活動は、このクライマックスで勝利し、大団円に至るための布石であるといっても、過言ではありません。

 基本として、事件の黒幕と直接対面し、事件の収束を目指す、状況の悪化を食い止めるために、立ちはだかるボスエネミーと、戦闘を行う事になるでしょう。

 ボスエネミーとの戦闘や、それに相応するイベントが終了とすると、結果に関わらず、クライマックスフェイズは終了をGMは宣言し、エンディングフェイズへと移行します。

 
◇ エンディングフェイズ

 シナリオ中でのPCの活動の結果が反映されるフェイズです。

 事件を解決すれば、一時の平和がやってくる事でしょう。それにより救済された者がいれば、彼らはPCに感謝し、PCは信仰を得られるでしょう。反対に、クライマックスで敗北するなど、PCが事件を解決できなかった場合、PCのロストや悲惨な後日談等、それ相応の悲劇が待っているでしょう。

 エンディングでの演出が全て終了したとGMが判断した場合、GMはエンディングフェイズの終了と、ゲームの終了を宣言し、アフタープレイへと移行します。

 
 
《 アフタープレイ 》 シーン》 《シナリオフェイズ》 《NPCの種別》 《戦闘バランス
 

 ゲームが終了し、PCが得る経験値の算出や、レベルアップ等のデータ処理を行う場を「アフタープレイ」と言います。また、初めてのゲームを行うまでの準備期間も「アフタープレイ」と扱います。

 
◇ PCのシナリオ会得経験値の算出

 GMが課した条件をPCが達成していた場合、PCは1人あたり、「ボスエネミーのLV × 50」点の「基本経験値」を得ます。条件を満たす事が出来ていなかった場合、基本経験値は半分となります。

 また、PCは上記の基本経験値に加えて、シナリオ中に倒したエネミー(ボスエネミーも含む)の「撃破経験点」も得ます。撃破経験値はPC1人あたり「倒したエネミーのLV × 10」となります。

 
◇ PCの成長処理

 PCの総合経験値が指定値に達すると、PCはLVが上昇します。LVが上昇したPCは、上昇した数だけ、成長処理を行います。成長処理については、「キャラクター作成と成長:キャラクターの成長」を参照して下さい。

 
◇ PCのリソースの補充

 HPAP、消耗品の常備化アイテム等、PCがゲーム中に消費したり、成長で得たリソースが全て最大値まで補充されます。これにより、PCは次のシナリオにて、万全の態勢で参加する事が出来ます。

 ただし、BPPPの信仰値については、運命点まで失われます。また、これは運命点まで補充されるわけではない事を注意して下さい。

 
◇ 後片付け

 アフタープレイも落ち着いて、挨拶を交わして解散となった後、遊んだ場所を汚した場合は掃除をし、ゴミはそれぞれ持ち帰るようにしましょう。

 
 
《 NPCの種別 》 シーン》 《シナリオフェイズ》 《アフタープレイ》 《戦闘バランス
 

 ゲーム中、GMがシナリオに登場させる、ノンプレイヤーキャラクター(以後NPC)は、「エキストラ」「ゲスト」「データキャラクター」「ボスエネミー」「ガード」の5種類に分類されます。GMは用途に合わせて、使い分ける事を推奨します。

 
◇ エキストラ

 データを持たない、無力なNPCがエキストラとなります。エキストラは「倒す」等と宣言されただけで、そのまま倒されます。当然、戦闘に参加させる事など自殺しろと言うようなものです。依頼に同行する場合は、護衛対象となるでしょう。BPPPのやりとりを行えるかは、エキストラ毎にGMが決定します。名前すらないエキストラの有象無象の集団は「モブ」と言います。

 
◇ ゲスト

 データを持たない、しかし生存できるだけの力を持つNPCがゲストとなります。GMの演出次第で生存が左右されるのはエキストラと同様ですが、ゲストはエキストラと違い、PCが保護する必要を持たない強さを持っています。ただし、PCより強いという事は決してなく、ゲストだけで問題を解決する力を持ちません。ですので、PCはゲストに倒される事はありませんが、ゲストを倒す事も通常出来ません。主に、依頼に同行する、戦闘に慣れたNPCが、このゲストとなります。BPPPのやりとりを行えるかは、エキストラ毎にGMが決定します。

 
◇ データキャラクター

 PCと同じように、能力値や他データを持つNPCです。主に、PCに準ずるデータを持つキャラクターやエネミーが、このNPCとなります。シナリオに登場するデータキャラクターは、戦闘参加を想定する事になるでしょう。

 
◇ ボスエネミー

 通常、PCが「クライマックスフェイズ」にて戦う事になる、シナリオ中最強のデータキャラクターが、このボスエネミーとなります。ボスはキャラクターデータを持ち、そして以下の異能を所持しています。

『 ボス補正 』
APコスト:- 消費カウント:- 射程PT:- 範囲:自身

 最大HPが「LV × 3」点、最大APが「LV × 2」点、それぞれ増加します。

 また、最大で2種類までの兵科に就く事が出来、それらの兵科技能を得ます。この異能は、常に効果が適応されます。

『 BS耐性 』
APコスト:5 消費カウント:- 射程PT:- 範囲:自身

 この異能は、《軽度BS》のいずれかを受けた際に、任意に発動出来ます。直前に受けた《軽度BS》を、即座に解除します。使用後、同ラウンド中は再使用出来ません。

 ボスとの戦闘にPCが勝利、あるいは敗北すると、クライマックスフェイズは終了し、エンディングフェイズへと移行します。

 
◇ ガード

 突如、PC(PL)が暴走して、無意味に他PCやNPCに攻撃し、害を撒き散らすなど、ゲームの場を乱し、他PLの不快を招いてでも己の快楽を優先する不埒なPL、通称「マンチキンプレイヤー(以後MKP)」が出現した際に、そのMKPのPCが登場しているシーンに現れる、絶対無敵の特殊なNPCです。ガードは即座に以下の異能をMKPのPCへ放った後、何処へともなく帰還します。

『 Kick 』
APコスト:- 消費カウント:- 射程PT:特殊 範囲:特殊

 この異能の射程は「ゲーム中全域」となり、範囲は「MKPのPC全て」となります。対象を即座にゲームから除外し、ゲームから除外された対象は、ゲーム中には存在していなかったと扱われ、対象に関する記憶や痕跡は、排除されたシナリオに関する範囲で、全てのキャラクターから抹消されます。

 通常通りにゲームが進行している場合には、ガードは出現しません。このNPCとのBPPPのやりとりは、不可能となります。

 
 
《 戦闘バランス 》 シーン》 《シナリオフェイズ》 《アフタープレイ》 《NPCの種別
 

 このゲームでは、PCとエネミーの戦闘がある事を前提としています。その際、GMは、エネミーの強さや配置がよくわからないとなる事もあるでしょう。以下には戦闘のバランスや運用の基準を書いてありますので、参考として下さい。なお、以下の基本的なPL人数は5人を想定しています。

 
◇ PCとエネミーの相性

 エネミーの多くは、2PT距離内の存在を対象とする攻撃を、基本としています。広い場所での戦闘では、エネミーはPCから長距離の先制攻撃を受ける事でしょう。エネミーとしては、いかに自身の攻撃射程へ素早く潜り込むかが勝利の鍵となります。逆に、屋内等の狭い場所での戦闘では、即座にその力を存分に発揮できるでしょう。

 長距離攻撃を得意とするPCには素早く高速で移動できるエネミーを、接近戦が得意なPCには耐久性の高いエネミーをぶつけると、いい勝負となるでしょう。PCが射程に入るまでエネミーは隠れている、というのも有効な手です。また、トラップを1、2個程配置しておくと、ただ戦うだけ、よりも刺激が得られるでしょう。

 注意点として、「飛行状態」となれるPCやエネミーがいる場合に、接近戦しか出来ないキャラは飛行中のキャラに対して無力である事を意識して下さい。PC全員あるいはエネミー全員が長距離攻撃を一切持っていない場合は、戦闘が一方的になって場がしらけてしまう可能性が高くなってしまいます。そうならないよう、データの見直しや、時にはPLへ事前に忠告をするようにしてください。

 
◇ エネミーの固定値判定

 エネミーの判定を全てダイスで行うと、スリルを味わえるメリットを得ると同時に、時間がかかるというデメリットに直面し、これをどうするかと悩む事もあるでしょう。その時は、エネミーの判定の出目を全て「7」に固定しても構いません。これを雑魚エネミーに適応する事で、戦闘をスムーズに進める事が出来るでしょう。

 注意として、固定値判定と非固定値判定では、おのずと戦術も変わってきます。GMはエネミーの判定を固定値にするのかどうかを、PLに申告する事を推奨します。

 
◇ オープニングフェイズでの戦闘

 このフェイズでの戦闘は、PCをシナリオの本筋へ誘導する事が目的となります。よって、エネミーは「エキストラ」や「ゲスト」など、データを用いずに倒せる、あるいは退けられるものにしておき、戦闘は演出で済ませる事を推奨します。

 チュートリアルとして、データを使用しての戦闘を行いたい場合は、PCより低い〜同レベルのエネミーを1体用意すれば十分でしょう。

 
◇ ミドルフェイズでの戦闘

 このフェイズでの戦闘は、PCに緊張感を与える事が目的となります。出現するエネミーの最大レベルはPC平均の同レベル〜1点高い程度にしておき、 一度に出現するエネミーの総合レベルはPC平均の2倍程度が良いでしょう。

 戦闘を複数回行う場合は、ある程度回復出来る休憩地点を用意したり、事前に「調達判定」を多めに行わせ、回復アイテムを多く用意させる事を推奨します。

 
◇ クライマックスフェイズでの戦闘

 このフェイズでの戦闘は、今回のシナリオの決着を付ける事が目的となります。戦闘に参加するエネミー1体は、必ず「ボスエネミー」として下さい。また、基本として、クライマックスフェイズでの戦闘は、1回のみとなります。

 ボスエネミーのレベルは、PC平均の「+ 2」を想定しています。また、「ボスレベル × 2」を総合レベルとする配下を基本として従えています。

 配下を持たないボスの場合、ボスレベルは「PC平均LV + 3〜4」とするとよいでしょう。「+ 5」以上となると、それは戦うべき相手ではないとして、ボスとするのは非推奨です。

 
◇ エンディングフェイズでの戦闘

 このフェイズでの戦闘は行うべきではありません。クライマックスでの戦闘でPCはひどく損耗しているでしょうし、ボスを倒したにも関わらずまた戦闘というのは、物語の展開として蛇足となるからです。クライマックスで敗北していた場合、さらに鞭打つ事は、PLを不快にさせるでしょう。

 よって、戦闘行為が行われるとすれば、それは演出によるものとなり、その演出は、PCの勝利や引き分けを思わせるものにする事を推奨します。そうすれば、たとえ今回はシナリオの目的を達成できなかったとしても、「次がある」とPLに印象づける事が出来れば、次回へ上手く繋げる事が出来るでしょう。

 
 
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