【 神子の異能と拠点 − T 】

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《 神子と宿命 》

 PCである『神子』とは、後述の『啓示の夢』を見た『楽園』に戻る資格を有する人間です。『神子』は、『カヴェル教団』の主神に仕える超越者達からの加護を有しています。この加護により、『神子』は主神の宿敵たる『魔王』、その配下である『黒山羊』の尖兵たる『魔女』に対抗するための術を有しています。

 『神子』は、その証として、身体のいずこかに「逆十字」をモチーフとした紋章が刻まれています。この紋章は、『魔女』が同様にいずこかに刻む「烙印」と非常に似通ったものであり、『神子』は時として『魔女』と間違われ、冤罪を受ける事があります。『神子』どうしは存在を認識できれば、加護を通じて相手を『神子』である事を感知できます。

 『神子』は、その特殊性故に、やがて『魔女』と邂逅し、破滅の誘惑を受ける運命とされます。

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《 アルコーンと啓示の夢 》

 主神に仕える、『神子』を導く天使達の長の如き固有の存在です。『アルコーン』は『羊飼い』と呼ばれる配下を有し、『神子』に対してその姿をあらわす事は滅多にありませんが、必ず一度は『神子』の前に現れます。それは『啓示の夢』と呼ばれる時で、その夢の中で、『神子』は只の人間から『神子』として覚醒します。

 『啓示の夢』では、『神子』は霧に包まれた荘厳な石造りの門の前に立っている事に気づき、『アルコーン』はその門の前で『神子』にとって最も大事な存在の姿をとって現れます。『アルコーン』は『神子』に告げます。

 「汝、楽園に戻る資格あり。」

 すると、景色は『神子』がかつて最も美しい、あるいは最も幸福であると思った光景に一変します。しかしその光景はぼろぼろと崩れて地獄の様相となり『神子』を包み込んでいきます。

 「故に、汝はかつての過ちを繰り返し続ける魔王とその配下達に立ち向かわねばならない。さもなくば、かの光景が現実のものとして汝に降りかかろう。」<

 やがて地獄は『神子』の足場を崩壊させ、無限の奈落へと落下し、そこで『神子』は目覚めます。

 目覚めた『神子』は、それまで知り得なかったはずの奇跡の行使の方法、そして、体に刻まれた紋章を知り、『神子』の使命を果たすために魔女狩りへと踏み出します。

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《 羊飼いと彼らの信仰 》

 『アルコーン』に付き従う、『神子』の保護者のような超越的な存在です。『羊飼い』は『イデア界』と呼ばれる異次元空間にて、『神子』を直接導き、時には『魔女』の主である『黒山羊』から『神子』を護る使命を有しています。

 『羊飼い』はそれぞれが個性を有しており、その多くが人の姿を取っています。彼等、あるいは彼女等は、現世にて直接顕現する事が主神から禁じられており、直接魔女狩りに赴く事が出来ず、『神子』への直接的な保護も『黒山羊』という同格の敵対存在からの干渉時のみに限られます。

 『羊飼い』は己の領土を『イデア界』に有しており、それら領土を繋ぐ場所に『修道院』を作り、そこを『羊飼い』どうしの寄り合い所とすると共に、『神子』が集い合う場所として開放しています。『羊飼い』はそこで『神子』に、目下脅威となりうる存在の情報を与え、具体的な魔女狩りの指示を出しています。

 『羊飼い』も『アルコーン』も主神に仕える重鎮であり、神を『デミウルゴス』ではなく『アイオーン』と呼び、「我らが仕えるは神であり教団ではない。」として、カヴェル教団に対し距離を取っています。

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《 デミウルゴス 》

 プルガトリウムを支配するカヴェル教団が崇める主神です。カヴェル教団の教皇は主神から神権を託されているとされ、教皇の言葉は、教団において主神の言葉と同等の威厳を持ちます。

 その教義は「罪は叡智に浄化され、穢れなき魂は、楽園で永遠の至福に包まれる。」ですが、現在の教皇は「故に叡智を害する欲の根源を教団に寄進せよ。」と付け加え、搾取を正当化しています。
 



【 神子の異能と拠点 − U 】


以降の項目は『神子』が有する異能とゲーム中のルール運用について説明しています。
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《 穢れ 》

 『神子』は何かしらの突破しがたい状況に陥った時、本来その場では失敗するはずだった行動を、運命を改変して強引に成功へと修正する『奇跡』を有しています。この力はまさに神に導かれし『神子』の本懐ともいうべき強力な奇跡となります。

 しかし、その対価は決して安いものではありません。この『奇跡』は『神子』が意識的に制御できるものではなく、そして絶対に失敗してはならないという覚悟を無意識的に強く抱く事で発現します。その際、運命改変を望む無意識は『神子』の有する《罪》という深淵よりの渇望を肯定します。この《罪》の肯定は『神子』の魂を染めていき、『魔女』への堕落を誘います。これにより、運命改変を成したその時『神子』には《穢れ》が蓄積していきます。

 また、この『奇跡』を行使するためには、生者としての喜びである崇高なる感情を強く湧き上がらせる儀式を行わなければなりません。その儀式とは《性癖》を満たす活動、すなわち《性癖充足》となります。

 既に堕落している『魔女』はこの奇跡の冒涜を意識的にも起こす事ができます。

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《 性癖充足 》

 PLは自身の『神子』が有する《性癖》の内1種を満たすための活動、《性癖充足》を宣言できます。宣言したPLはどのように『神子』が《性癖充足》を行ったかの説明を行い、GMがそれを認めた時、《性癖充足》が成ったと扱います。

 《性癖充足》が成った『神子』は、自身の〈罪点:1以上〉の《罪》を2種まで指定する事で指定された《罪》での《穢れ》を宣言できるようになります。

 《性癖充足》が成った《性癖》は「アフタープレイ」まで《性癖充足》を宣言できず、指定済の《罪》を新たな《性癖充足》で再指定する事はできません。

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● 穢れのルール運用

 条件を満たした際にキャラクターを操作するPL(あるいはGM)が《穢れる》と宣言し、自身の《性癖充足》が成った《罪》を1種指定する事で、【再判定】【後付修正】【逆転勝利】のいずれかを行えます。その際に指定した《罪》は、【堕落判定】終了後まで再指定できません。また、〈判定対決〉時に《穢れる》を宣言した際は、勝敗の結果が確定するまで自身が《穢れる》を重ねて宣言する事はできません。

【 再判定 】

 自身の【判定】の〈達成値〉が出る事を条件とします。

 〈達成値〉を放棄し【判定】を振り直します。振り直し時、〈達成値〉を「−〈罪点〉×2」します。この【判定】が〈判定対決〉での《アクション》であり、上記効果で《アクション》に成功した場合、相手は《リアクション》に自動的に失敗します。

 自身の《穢れ》が「2点」増加します。

【 後付修正 】

 自身の【判定】の〈達成値〉が出る事を条件とします。

 〈達成値〉を「−〈罪点〉×4」します。

 自身の《穢れ》が「4点」増加します。

【 逆転勝利 】

 自身が『神子』であり、自身が《アクション》となる〈判定対決〉にて相手の《リアクション》の〈達成値〉が出る事を条件とします。

 相手の《リアクション》の〈達成値〉に「+〈罪点〉×6」を与えます。

 自身の《穢れ》が「6点」増加します。




【 神子の異能と拠点 − V 】

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《 イデア界の修道院と銀の鍵 》

 『神子』は『アルコーン』より、活動の拠点ともいうべき『イデア界』を行き来するための術【銀の鍵】を与えられています。【銀の鍵】は『夢』を通じて魂を『イデア界』へと送り込むという奇跡であり物品そのものではありません。『神子』は『イデア界』へ至るための眠りを任意に取る事ができます。

 『イデア界』の大空は黄昏色に染まっており、門や壁の外側は大地が途切れ、この修道院が遙か天空に浮いているように見え、その外輪の縁に立てば黄昏の空を見下ろせます。

● 銀の鍵のルール運用

 自身がその場で眠りにつきます。実際に眠りに陥るまで4ラウンドかかります。この間、いつでも入眠を解除できます。眠りに陥ると、自身の魂が『イデア界の修道院』の門内に転移します。肉体はその間全くの無反応となりますが、肉体に実害(【損傷】を受ける、《命運》が減少する、【抵抗判定】が行われる等)が及ぶと魂は即、肉体に帰還します。

 夢を通じて『イデア界』に至ると、『神子』は巨大な壁で囲まれた荘厳で広大な修道院の門内に立っています。イデア界での服装は眠った時のものではなく修道士、修道女が纏う衣装となっています。所持品も『アルコーン』が認可した物品のみが持ち込みを許されます。『イデア界』から現世に戻る時は、この縁より飛び降りる事で行えます。この時、飛び降りる事に対して恐怖を抱く事はありません。

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《 修道院の環境 》

 修道院の本堂は大聖堂ともいうべき規模で、遥か高みにある天窓からは壇上に向かって黄昏の光が降り注ぎ、反射光が大聖堂全体を照らしだしています。音もよく響くように設計されていて、壇上からの肉声は集音器を必要とせず聖堂全域に届くようになっており、壇上の奥には巨大なパイプオルガンが添えつけられています。

 生活居住区は、門から見て右手に男子棟、左手に女子棟にと別れています。生活棟の部屋は二人分の家具が容易されており、そこで休む事もできますが、その内装は質素そのもの、ベッドは粗末な木に藁を敷いて布を張っただけのごわごわとした硬いもので、牢獄や最低品質の安宿よりはマシ、という程度のもので贅沢とは程遠いものとなります。もっとも、現世にて過酷な環境にある『神子』が有り難みを見いだす事は少なくないようです。

 中庭は自活可能な畑と水場があり、そこでは安定した気候によって野菜や薬草、穀物や家畜小屋、そしてワインが作られ、いつでも収穫できるようになっています。これらの食物や飲み物は摂取する事ができ、その栄養は眠る肉体に栄養を与えます。ただし、そこで生産されるもの以外の飲食物や調味料は存在しておらず、その収穫も番人である『羊飼い』の許可が必要で、好きなだけ美味しいものを食べるという事は出来ません。それらの食材は厨房に運ばれ、食堂にて注文し食べる事ができます。

 これらの生産や修道院の維持を現場で行っているのは『羊飼い』の下僕達です。下僕達は人型ではありますが、その輪郭より内側は立体感のない漆黒であり、その上に簡素なフード付きのローブを纏うという、人ならざる存在です。下僕達は生理現象というものがないようで、いつも休まず黙々と働いています。彼等は自分たちの作業に関わる事以外の知識は有しませんが個性や知性はあり、口に当たる部分がないにもかかわらず会話は可能で、その声も個体によって違いを持っています。

 大聖堂の裏手には図書館と倉庫がありますが、そこは『羊飼い』によって封鎖されており、窓口の『羊飼い』が認可した本以外を見る事はできません。また、貸出も認められていません。この図書館や倉庫に収められている物品は大半が『焚書』のために集められた『禁書』や『祭器』といういわくつきの呪物です。『羊飼い』は『神子』が集めてきたこれらの呪物を一時的に保管し、定期的に焚書・処分して無力化しているのです。

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《 神子集う場所 》

 階級が異なる等で現世で容易に顔を合わせる事が難しい関係にある『神子』達は、こうして『イデア界』に魂を移す事で集合できます。親しい関係にある者たちはグループを作り、修道院のあちこちをたまり場としています。最も人気なのは食堂で、次に生活棟となっています。

 『羊飼い』より使命がくだされる場合、その使命を受ける『神子』は大聖堂に呼び出されます。壇上では『羊飼い』が待っており、呼び出した『神子』が揃うとその内容を説明します。内容としては主たる魔女狩りの他に、焚書されるべき魔道書『禁書』や、呪具『聖石』の回収も命じられる事もあります。使命を下す『羊飼い』は固定ではなく、状況に応じて誰が壇上で待っているかが変化します。



【 神子の異能と拠点 − W 】

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《 魔術への抵抗力 》

 実際に『魔女』と相対した時、最も脅威となるのは《魔術》に他なりません。《魔術》は物理法則を完全に無視した事象を都合よく発生させるという理不尽なものです。それは主神のみが許される世界法則への介入の術を盗み出し、その一端を悪用して世界を改変させたものとされます。『魔女』の扱う《魔術》は程度の低いものとされながらも、その時点で並の人間では太刀打ちができません。

 それに対抗するためには、自身が同じ『魔女』となるか、《魔術》の断片を記した魔道書を手に入れるか、そして『魔女』に立ち向かう存在として選ばれるかしかありません。『神子』ではない異端査問官や魔狩人は、魔道書によってその術を一時的に得ていますが、『神子』は『啓示の夢』の中で『アルコーン』から与えられた術によって、それを常に成す事ができます。

 《魔術》の対象となった時、そこで鍵となるのは、対象者の心の強さ、《意思》の強さです。《意思》の強さは魂の強さであり、『魔女』に堕落しないためにも、また、超常の存在に立ち向かう勇気のためにも、心の強さはなくてはならないものなのです。

 『神子』はアルコーンの加護により『奇跡』を起こす力をいくつか与えられています。その中に、《魔術》に対する抵抗力があります。『神子』は自らの《命運》を障壁として展開し、世界をねじまげる《魔術》の影響を無効化する術を有しています。かつて教国を滅亡寸前にまで追いやった『魔女』を退けられたのは、まさにこの《魔術抵抗》故なのです。

 《魔術》は加害のための手段だけではなく防御や逃亡のための《魔術》も多く、その範囲は実に多彩です。特に空間転移と飛行の《魔術》には、多くの狩人が苦渋を飲まされました。その中で『神子』だけが、そうした状況に対応できる奇跡を行使できます。

● 魔術抵抗力のルール運用

 《魔術》が行使され、自身がその《魔術》の対象と指定された際に、意識の有無を問わず任意に発動出来ます。《魔術》の【魔術判定】が成功した際、その〈対象〉となった際に《リアクション》として【抵抗判定】を行い、成功すれば、その《魔術》の効果を一切受けません。

 ただし、成功時に〈抵抗代償〉で指定された数値分、《命運》が減少します。また、《命運》が〈抵抗代償〉未満だった場合、【抵抗判定】は行えません。

 既に発動している、持続効果のある空間を範囲とした《魔術》やその副次的な効果に対しても基本的にこの抵抗は行えます。ただしその場合、成功しても〈抵抗代償〉は発生しません。また、抵抗はあくまで自身が効果を受けないだけに留まり、《魔術》を打ち消すものではありません。この抵抗は『魔女』も同様に行えます。

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《 魔力感知 》

 《神子》は、なにかしらの《魔術》、あるいはそれに準ずる超常現象の効果受けている者や物品に触れた、あるいは土地や空間に踏み入れた時、その魔力を感じ取れる可能性があります。

 《神子》は【感知判定】を行い、これに成功すると、そのものが魔術的効果を受けていると明確に感知します。ただし、その魔力の具体的な効果や、それをもたらした原因はわかりません。あくまで、魔力を感じるのみに留まります。なお、《奇跡》も同様に感知できます。また、これらは『魔女』も行えます。



【 神子の異能と拠点 − W 】

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《 悪霊祓いの収穫祭 》

 『アルコーン』から与えられた『魔女』を狩るための最大の奇跡、それが『悪霊祓いの収穫祭(ハロウィン)』と呼ばれる結界の展開です。この奇跡が展開されると、周囲は現世から『イデア界』に隔離されます。隔離されるのは「魔術を抵抗する術を有する者」のみとなります。

 ● 結界内外の情景

 結界内の情景は先程までいた現世を再現しながらも、雷鳴轟く空が黄昏色に染まり大空には漆黒の雲が広がっています。何かしらの手段で雲を間近で見れば、それが蝿の集団である事を確認できます。

 外部からは突如人がいなくなったように見えます。結界の展開に一般人が巻き込まれ、異空間に肉体や魂が切断されるといった事は発生しません。

 ● 結界の展開方法

 結界の展開は、その場にいる『神子』のいずれかが『アルコーン』へ「魔女の告発」を行い、それが『アルコーン』に受理される事が条件となります。これは言葉に出す、あるいは文書として見せるなど、告発対象にも認識できるものでなければいけません。

 告発と『アルコーン』からの告発受理の応答の内容は、それを行う『神子』のPLとGMの任意となります。これは【行動済み】にならず、【行動済み】でも行える」行動として扱います。

 告発が『アルコーン』に受理されるかどうかの条件は、まず告発された者が実際に《魔術》を行使できる『魔女』である事、次に【魔女の烙印を確認する】【魔術の行使を目撃する】【魔女である事を認める自白】いずれかの証拠を掴んでいる事となります。それらが満たされていなければ「証拠不十分」として不受理となり、何も起きず、応答もありません。

 受理されれば即座に結界が展開されます。結界展開時、『悪霊払いの収穫祭』の参加者とその獲物だけが『イデア界』へと隔離されます。

 ● 結界の恩恵

 展開された結界内に存在する者全員は、以下の効果が適応されます。

【 逃亡阻止 】

 結界の広さは「一辺20PT」の四角形となり、外部は「不可視」と扱います。結界内では「飛行状態」になれず、【銀の鍵】と《魔術・原罪の庇護》の【箱庭の扉】は(準備中であっても)発動できません。

 『神子』と『魔女』、どちらかが死に絶える、あるいは戦意を喪失して決着がつくまで解除されません。

【 奇跡の拡大 】

 《穢れ》による【再判定】【後付修正】【逆転勝利】の発動条件と効果対象の「自身」を「他の神子」に変更して《穢れる》を宣言できます。ただし、増加する《穢れ》は自身から変更されません。

 また、同一タイミングでの《穢れ》の効果を対象が複数同時に受ける事はできません。これにより自身が《穢れ》を宣言した場合、【奇跡の拡大】であらたに《穢れ》の効果を受ける事はできませんし、【奇跡の拡大】を受けた上で、さらに別の『神子』から【奇跡の拡大】を受ける事もできません。

 結界は、決着がつくと黄昏の世界は紙が裂けるようにして崩壊を始め、崩壊した箇所からは元の現世が現れ、やがて現世に包まれるように完全に消え去ります。



【 神子の異能と拠点 − X 】

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《 ゴースト化 》

 ミドルフェイズ中に『神子』が使命半ばに【死亡】した際、『神子』は『アルコーン』を通じて神に慈悲を訴える事で、『アルコーン』より『ゴースト』として僅かばかりの間、現世に留まる事を許されます。その魂は幽体の『ゴースト』となって仲間と同行し、使命の結末を見届けるまで現世に留まり、その後に昇天する機会を得られる事を告げられます。《ゴースト化》を決意し、それが受理されれば、人間として完全に【死亡】が確定され、死体は一瞬で風化して塵となり、そして消滅します。

● ゴースト化のルール運用

 【死亡】した『神子』のPLが《ゴースト化》を宣言し、GMの許可を得る事で適応されます。

 『ゴースト』となった『神子』は生前の五感の内、視覚と聴覚が維持され、他の感覚は失われます。自力で移動が行えなくなりますが、他のPCのいずれかを指名し、指名したPCに憑依する事で同行できます。この憑依は距離を無視し、いつでも憑依するPCを変更できますが、憑依できるのはPCのみです。そして憑依対象は同じ世界にいなければなりません。憑依対象が眠りについて『イデア界の修道院』に向かった場合、『ゴースト』も必ず同行し、側から離れる事はできません。

 『ゴースト』となった『神子』は、その姿を任意にいつでも透明化、そして透明化を解除する事ができます。会話は憑依対象を中心に「《意志》÷10PT以内》」の範囲内の対象と念話にて行えます。しかし幽体故に物理的な接触が必要な行動や判定は行えず、同時にそうした干渉も受けず、《魔術》の対象にもなりません。

 『ゴースト』となった『神子』は【堕落判定】の結果によってエンディングが変化します。

 【堕落判定】に成功した場合、その魂は彼方(『アイオーン』の御下だと『アルコーン』は語ります)へと昇天し、PCとして【ロスト】します。

 【堕落判定】に失敗した場合、その魂は漆黒の『ウコバク』へ変化します。以降は記憶を封印され、PCとして【ロスト】し、NPCとなって『イデア界の修道院』に滞在し続けます。



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