【 神子の異能と拠点 − U 】 以降の項目は『神子』が有する異能とゲーム中のルール運用について説明しています。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
『神子』は何かしらの突破しがたい状況に陥った時、本来その場では失敗するはずだった行動を、運命を改変して強引に成功へと修正する『奇跡』を有しています。この力はまさに神に導かれし『神子』の本懐ともいうべき強力な奇跡となります。 しかし、その対価は決して安いものではありません。この『奇跡』は『神子』が意識的に制御できるものではなく、そして絶対に失敗してはならないという覚悟を無意識的に強く抱く事で発現します。その際、運命改変を望む無意識は『神子』の有する《罪》という深淵よりの渇望を肯定します。この《罪》の肯定は『神子』の魂を染めていき、『魔女』への堕落を誘います。これにより、運命改変を成したその時『神子』には《穢れ》が蓄積していきます。 また、この『奇跡』を行使するためには、生者としての喜びである崇高なる感情を強く湧き上がらせる儀式を行わなければなりません。その儀式とは《性癖》を満たす活動、すなわち《性癖充足》となります。 既に堕落している『魔女』はこの奇跡の冒涜を意識的にも起こす事ができます。
PLは自身の『神子』が有する《性癖》の内1種を満たすための活動、《性癖充足》を宣言できます。宣言したPLはどのように『神子』が《性癖充足》を行ったかの説明を行い、GMがそれを認めた時、《性癖充足》が成ったと扱います。 《性癖充足》が成った『神子』は、自身の〈罪点:1以上〉の《罪》を2種まで指定する事で指定された《罪》での《穢れ》を宣言できるようになります。
条件を満たした際にキャラクターを操作するPL(あるいはGM)が《穢れる》と宣言し、自身の《性癖充足》が成った《罪》を1種指定する事で、【再判定】【後付修正】【逆転勝利】のいずれかを行えます。その際に指定した《罪》は、【堕落判定】終了後まで再指定できません。また、〈判定対決〉時に《穢れる》を宣言した際は、勝敗の結果が確定するまで自身が《穢れる》を重ねて宣言する事はできません。
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【 神子の異能と拠点 − V 】
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『神子』は『アルコーン』より、活動の拠点ともいうべき『イデア界』を行き来するための術【銀の鍵】を与えられています。【銀の鍵】は『夢』を通じて魂を『イデア界』へと送り込むという奇跡であり物品そのものではありません。『神子』は『イデア界』へ至るための眠りを任意に取る事ができます。 『イデア界』の大空は黄昏色に染まっており、門や壁の外側は大地が途切れ、この修道院が遙か天空に浮いているように見え、その外輪の縁に立てば黄昏の空を見下ろせます。
自身がその場で眠りにつきます。実際に眠りに陥るまで4ラウンドかかります。この間、いつでも入眠を解除できます。眠りに陥ると、自身の魂が『イデア界の修道院』の門内に転移します。肉体はその間全くの無反応となりますが、肉体に実害(【損傷】を受ける、《命運》が減少する、【抵抗判定】が行われる等)が及ぶと魂は即、肉体に帰還します。 夢を通じて『イデア界』に至ると、『神子』は巨大な壁で囲まれた荘厳で広大な修道院の門内に立っています。イデア界での服装は眠った時のものではなく修道士、修道女が纏う衣装となっています。所持品も『アルコーン』が認可した物品のみが持ち込みを許されます。『イデア界』から現世に戻る時は、この縁より飛び降りる事で行えます。この時、飛び降りる事に対して恐怖を抱く事はありません。
修道院の本堂は大聖堂ともいうべき規模で、遥か高みにある天窓からは壇上に向かって黄昏の光が降り注ぎ、反射光が大聖堂全体を照らしだしています。音もよく響くように設計されていて、壇上からの肉声は集音器を必要とせず聖堂全域に届くようになっており、壇上の奥には巨大なパイプオルガンが添えつけられています。 生活居住区は、門から見て右手に男子棟、左手に女子棟にと別れています。生活棟の部屋は二人分の家具が容易されており、そこで休む事もできますが、その内装は質素そのもの、ベッドは粗末な木に藁を敷いて布を張っただけのごわごわとした硬いもので、牢獄や最低品質の安宿よりはマシ、という程度のもので贅沢とは程遠いものとなります。もっとも、現世にて過酷な環境にある『神子』が有り難みを見いだす事は少なくないようです。 中庭は自活可能な畑と水場があり、そこでは安定した気候によって野菜や薬草、穀物や家畜小屋、そしてワインが作られ、いつでも収穫できるようになっています。これらの食物や飲み物は摂取する事ができ、その栄養は眠る肉体に栄養を与えます。ただし、そこで生産されるもの以外の飲食物や調味料は存在しておらず、その収穫も番人である『羊飼い』の許可が必要で、好きなだけ美味しいものを食べるという事は出来ません。それらの食材は厨房に運ばれ、食堂にて注文し食べる事ができます。 大聖堂の裏手には図書館と倉庫がありますが、そこは『羊飼い』によって封鎖されており、窓口の『羊飼い』が認可した本以外を見る事はできません。また、貸出も認められていません。この図書館や倉庫に収められている物品は大半が『焚書』のために集められた『禁書』や『祭器』といういわくつきの呪物です。『羊飼い』は『神子』が集めてきたこれらの呪物を一時的に保管し、定期的に焚書・処分して無力化しているのです。
階級が異なる等で現世で容易に顔を合わせる事が難しい関係にある『神子』達は、こうして『イデア界』に魂を移す事で集合できます。親しい関係にある者たちはグループを作り、修道院のあちこちをたまり場としています。最も人気なのは食堂で、次に生活棟となっています。 |
【 神子の異能と拠点 − W 】
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実際に『魔女』と相対した時、最も脅威となるのは《魔術》に他なりません。《魔術》は物理法則を完全に無視した事象を都合よく発生させるという理不尽なものです。それは主神のみが許される世界法則への介入の術を盗み出し、その一端を悪用して世界を改変させたものとされます。『魔女』の扱う《魔術》は程度の低いものとされながらも、その時点で並の人間では太刀打ちができません。 それに対抗するためには、自身が同じ『魔女』となるか、《魔術》の断片を記した魔道書を手に入れるか、そして『魔女』に立ち向かう存在として選ばれるかしかありません。『神子』ではない異端査問官や魔狩人は、魔道書によってその術を一時的に得ていますが、『神子』は『啓示の夢』の中で『アルコーン』から与えられた術によって、それを常に成す事ができます。 《魔術》の対象となった時、そこで鍵となるのは、対象者の心の強さ、《意思》の強さです。《意思》の強さは魂の強さであり、『魔女』に堕落しないためにも、また、超常の存在に立ち向かう勇気のためにも、心の強さはなくてはならないものなのです。 『神子』はアルコーンの加護により『奇跡』を起こす力をいくつか与えられています。その中に、《魔術》に対する抵抗力があります。『神子』は自らの《命運》を障壁として展開し、世界をねじまげる《魔術》の影響を無効化する術を有しています。かつて教国を滅亡寸前にまで追いやった『魔女』を退けられたのは、まさにこの《魔術抵抗》故なのです。
《魔術》が行使され、自身がその《魔術》の対象と指定された際に、意識の有無を問わず任意に発動出来ます。《魔術》の【魔術判定】が成功した際、その〈対象〉となった際に《リアクション》として【抵抗判定】を行い、成功すれば、その《魔術》の効果を一切受けません。 既に発動している、持続効果のある空間を範囲とした《魔術》やその副次的な効果に対しても基本的にこの抵抗は行えます。ただしその場合、成功しても〈抵抗代償〉は発生しません。また、抵抗はあくまで自身が効果を受けないだけに留まり、《魔術》を打ち消すものではありません。この抵抗は『魔女』も同様に行えます。
《神子》は、なにかしらの《魔術》、あるいはそれに準ずる超常現象の効果受けている者や物品に触れた、あるいは土地や空間に踏み入れた時、その魔力を感じ取れる可能性があります。 《神子》は【感知判定】を行い、これに成功すると、そのものが魔術的効果を受けていると明確に感知します。ただし、その魔力の具体的な効果や、それをもたらした原因はわかりません。あくまで、魔力を感じるのみに留まります。なお、《奇跡》も同様に感知できます。また、これらは『魔女』も行えます。 |
【 神子の異能と拠点 − W 】
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『アルコーン』から与えられた『魔女』を狩るための最大の奇跡、それが『悪霊祓いの収穫祭(ハロウィン)』と呼ばれる結界の展開です。この奇跡が展開されると、周囲は現世から『イデア界』に隔離されます。隔離されるのは「魔術を抵抗する術を有する者」のみとなります。
結界は、決着がつくと黄昏の世界は紙が裂けるようにして崩壊を始め、崩壊した箇所からは元の現世が現れ、やがて現世に包まれるように完全に消え去ります。 |
【 神子の異能と拠点 − X 】
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ミドルフェイズ中に『神子』が使命半ばに【死亡】した際、『神子』は『アルコーン』を通じて神に慈悲を訴える事で、『アルコーン』より『ゴースト』として僅かばかりの間、現世に留まる事を許されます。その魂は幽体の『ゴースト』となって仲間と同行し、使命の結末を見届けるまで現世に留まり、その後に昇天する機会を得られる事を告げられます。《ゴースト化》を決意し、それが受理されれば、人間として完全に【死亡】が確定され、死体は一瞬で風化して塵となり、そして消滅します。
【死亡】した『神子』のPLが《ゴースト化》を宣言し、GMの許可を得る事で適応されます。 『ゴースト』となった『神子』は【堕落判定】の結果によってエンディングが変化します。 【堕落判定】に失敗した場合、その魂は漆黒の『ウコバク』へ変化します。以降は記憶を封印され、PCとして【ロスト】し、NPCとなって『イデア界の修道院』に滞在し続けます。 |