【 マスタリングガイド − T 】
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『神子』の使命は『魔女』を狩る事です。しかし社会に潜伏する『魔女』を狩るためには様々な障害があるとして、それがどれほどの範囲に広がるのかという指針がなければ、シナリオ作成において強い負担となりえます。以下はPLを誘導し、PCである『神子』を『魔女』へと導いて決着をつけるというシナリオを作成する際の指針です。
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【 マスタリングガイド − U 】
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以下はPCが知っている知識とそうでない知識の指針となります。
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【 マスタリングガイド − W 】
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以下の一覧表は、PCが《性癖充足》の宣言をした際に、GMがそれを認める際の演出基準と、それを満たすための場所で得られる手掛かりの例示を記しています。手がかりを得る場所と充足を行う場所を同一にする事は、ゲーム時間の短縮に役立つでしょう。ただし、これらはあくまで例示であり、ゲームルールとしての絶対の基準ではない事に注意してください。 手掛かり例示は、《性癖充足》のために向かった場所で、シナリオを進行させるための情報を与える際にどのような形で出すかという具体例です。《性癖充足》を満たすと同時にその場で必要な情報を与えれば、シナリオの本筋から脱線せずにゲームを進行させていく事ができるでしょう。 事前にPCの《性癖》を確認し、て《性癖充足》をシナリオに組み込む場合、PC全ての《性癖》を満たすためにイベントを用意しようとすれば、それは大きな負担となるでしょう。その際の目安として、手がかりにつながる《性癖》はシナリオ1つにつき合計3〜4種(PC1人につき1〜2種)に止め、他の《性癖》の充足機会の用意についてはPLに任せる事を推奨します。
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【 マスタリングガイド − X 】
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【 マスタリングガイド − Y 】
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PCである『神子』には『羊飼い』という導き手がいますが、『異端査問官』の場合には後援者たる〈枢機卿〉という上司もいます。GMは双方がどれほど事件について詳細を知っているとすればよいか悩むかもしれません。 ファンタジー冒険物語で例えれば、『神子』は「神官の冒険者」であり、『羊飼い』は「神官に信託を授ける天使」であり、〈枢機卿〉は「冒険者に仕事を斡旋する酒場の親父」となります。 また、〈枢機卿〉をオープニングで登場させるのは『異端査問官』の前のみとして、『羊飼い』を登場させる場合は全員が揃っている事を基本としてください。シナリオに参加するPCが後援者とする〈枢機卿〉は同一である事が望ましく、『魔狩人』のPCも含めてその〈枢機卿〉の派閥の影響下にあり、少なくとも集団としてまとまっている事を推奨します。 公式NPCの〈枢機卿〉は2人いますが、「エヴァンス・ドガ」の与える使命は、彼の保身を重視した冤罪前提の強引な魔女狩りとなり、「ポール・ジョルネ」の与える使命は、民衆の幸福を重視した誠実な調査を前提とする魔女狩りとなります。 『羊飼い』からの使命はポールの使命と重なり、エヴァンスの使命とは相反するか不正の強要が伴うでしょうが、いずれにしても『羊飼い』は己が与えた使命が果たされれば〈枢機卿〉の使命の実行については黙認します。ただしエヴァンスとの決別はいずれ『羊飼い』から求められるでしょう。 このため、エヴァンスを指定すれば「悪役プレイ」に、ポールを指定すれば「善玉プレイ」にと、シナリオ傾向が大きく変化します。新たに〈枢機卿〉を用意する際は上記を参考にし、「悪役プレイ」をする場合は参加者間で仲間割れになった場合の展開を前提にした摺合せを行う事を強く推奨します。
このゲームはシティアドベンチャーを前提としており、そのためPCが頼れる人材や向かえる場所が幅広く、それゆえにシナリオ作成やゲーム進行に大きな負担をかけてしまう面があります。 ここで前提となる重要な事は、ゲーム進行とはGMとPLが互いに処理可能な範囲でのみ行えるものであり、その範囲こそが「本筋」とされるものだという事です。そこから外れてしまう事こそを避けるために参加者全員で許容する事が望ましいのが「ぶっちゃける事」と「ヒントを惜しまない事」です。 GMもPLも人間であり、個々人で処理可能な範囲というものが存在します。その範囲外に踏み込んだ時、進行処理が困難となり停滞に陥ります。それを事前に防止しようとして、GMがシナリオ作成時に想定する内容が当人の処理可能範囲から溢れてしまい、そこで停滞してしまう事もあります。それを解決するのが、「そこへ向かうのは、それを行うのは、想定外で対処できないので諦めてほしい」と、PCを強引にそこから見えない力で引き離すのではなくPLへぶっちゃけたお願いをする事です。 TRPGの構造上、PLがゲームで得られる情報はGMからの提示に依存しており、その情報はPLを誘導する内容そのものに直結しています。ヒントとはゲーム進行を補助する情報そのものです。PCの視点とPLの視点は異なり、TRPGはPCを通じてクリアを目指すものです。そしてPLはPCの能力をゲームクリアに貢献するために組み上げます。PLが行き詰った時、それはPCを通じての攻略の糸口が見えない時です。GMは状況を打破するチャンスを与えるとして、PLへPCの判定を促してください。PCで出来る事をした上でのシナリオ失敗であれば、PLはその失敗も苦くも良き思い出として持ってくれるでしょう。 まとめれば、大事な事はGMとPLの参加者間で互いに負担軽減に努め、信頼と信用を構築し、その上でPCを誘導していけるかどうかという事なのです。ゲームの土台となるのは参加者のよき交友関係であり、それが維持されていればゲームは成功となり、それを失った時に本当の失敗は訪れてしまうでしょう。 |
【 マスタリングガイド − Z 】
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悪行とされる行為を行った事が社会で噂になった時、それが事実であれ虚構であれ渦中にある者は悪名を背負い、社会的に行き場を失っていきます。こうした社会からの敵視による圧迫感や差別的対応はキャラクターの《命運》を減少させ、果ては自殺に追い込んだり、監獄に収監されるなど社会的破滅を受ける事となります。こうした悪名による《命運》の減少はミドルフェイズ終了時に発生します。 悪名を背負った場合、冤罪であればそれを晴らすか、「悪名は冤罪である」ととして【情報拡散】の《陰謀工作》を成功させる事で事件を隠滅し、悪名をごまかす事ができます。ただしそれが重犯罪として扱われる場合、《陰謀工作》の【手配判定】には「−20」を受けます。 冤罪ではなく実際に悪行を行い、そしてそれが現行犯で取り押さえられた時、捕らえられた者は官憲に突出され、留置場にて最低でも1晩取り調べを受けます。その際、官憲に釈放のための賄賂交渉を行えます。賄賂の額は軽犯罪であれば「10」、重犯罪であれば「40」です。しかし、この釈放は悪名を削ぐ事にはつながらず、再び同じ罪で捕縛された場合、必要な賄賂は倍増されていきます。 賄賂を払えない場合、何かしらの手段で開放されない限り、ミドルフェイズ終了まで留置場に囚われ続ける事になります。そしてエンディングフェイズに至った場合、裁判に持ち込まれた事となり、《命運》が残っていれば釈放され、尽きてしまえば監獄に囚われるか死罪が言い渡され処刑されます。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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【 マスタリングガイド − [ 】
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以下はNPCが何かしらの罪を犯す際、その時の《罪》の度合いを示しています。「強欲」がもっとも高い〈盗っ人〉であれば、その《罪》は「4点」となり、犯行は窃盗に留まります。しかし「5点」となれば強盗殺人などに踏み込むようになります。こうなれば【強欲の魔女】として覚醒する事もあるでしょう。 注意点として、これはあくまでNPCの自主的な犯罪への意欲の度合いであり、《罪》が低くても脅迫や強要によって望まぬ犯罪に踏み込む事は多々あり、その中に賄賂のやり取りも含まれます。自身の《罪》を超える罪を犯した場合、その者は罪悪感に苛まれ、時には自殺に踏み込んでしまうでしょう。
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「大罪人」との戦闘時、彼は配下となる戦闘員を引き連れていることがあります。 GMは、戦闘に参加する「大罪人」と配下について、どれほど参戦させればいいかと悩むかもしれません。その際は、戦闘での強さの基準「脅威度」を示した以下を参考にし、PC側の合計値が大罪人側の合計値と同等未満を「脅威度」の目安としてください。互角であればPCは全滅の危険性が強く、超えていれば無謀域です。 |
【 マスタリングガイド − \ 】
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以下は『羊飼い』が、ある不審な事件や事故について『神子』の介入が必要だと判断し調査を命ずる要素のチャート表です。ロール&チョイスで決定できます。
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【 マスタリングガイド − ] 】
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以下は現地の集落での特産物のチャート表です。特産物はそれを商う者に莫大な富をもたらし、その利益を巡って事件を引き起こす要因となりえます。ロール&チョイスで決定できます。
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【 マスタリングガイド − ]T 】
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以下は異変の黒幕が、どのような動機故に凶行に及び、PCはそれを何によって追跡し、何処が決戦の場となるかを連想させる単語を羅列したチャート表です。ロール&チョイスで決定できます。
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以下は「撒き餌」が持つ生きがいのチャート表です。生きがいとなる夢は撒き餌の破滅に抗う意志の根幹となるものであり、PCに「撒き餌」の保護を促す動機付けとなり、そして指定された《楔》はシナリオ中で「撒き餌」ともども危機に陥る存在です。結果としてPCは撒き餌の生きがいを守り、成就させるエンディングを目指す事となります。ロール&チョイスで決定できます。
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