【 階級と境遇 − T 】
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《 階級 》

 カヴェル教国の住人は全て、『魔女』であろうと何かしらの社会階級に属しています。社会階級には〈客分〉〈奴隷〉〈低位市民〉〈中位市民〉〈高位市民〉〈騎士〉〈貴族〉〈聖職者〉〈大貴族〉〈枢機卿〉〈教皇〉の11種類に分かれており、その権利や教育水準も大きく異なります。
      
 ● 奴隷  《権力Lv:0》 《最低権力:0》 《学歴:様々》

 最下層の明日なき階級です。主に敵国の捕虜や反乱分子、重犯罪者が主な構成層となっています。奴隷の証である首輪の着用義務があり、見ただけでそれとわかるようにされています。忌避される重労働を強制されるか、あるいは剣闘士にされて命を浪費されます。

      
 ● 低位市民  《権力Lv:1》 《最低権力:20》 《学歴:無学》

 農村にて農業や畜産業に従事する労働者層です。都市においてはスラム街の主な住人となっています。教国の人口はこの階級が90%を占めます。最低域の生活水準は彼らの心身を疲弊させ、安酒だけが楽しみという者は少なくありません。

      
 ● 中位市民  《権力Lv:2》 《最低権力:40》 《学歴:義務教育》

 都市部の商人や職人、農村においては水車や風車の管理人となります。下位階級に次いで人口比が高い階級でもあります。日々の生活にある程度余裕を持る事が可能で、それ故にその余裕を守るため風見鶏となります。

      
 ● 高位市民  《権力Lv:3》 《最低権力:60》 《学歴:大学教育》

 都市部においては店主の立場にあり、農村においては村長であり、指導者層となります。以下3種の市民階級は「剣」と一部を除く「銃」の所持は認められていません。

      
 ● 騎士  《権力Lv:4》 《最低権力:70》 《学歴:大学教育》

 貴族として認められつつも領土を有さない者達です。高位市民階級が貴族階級に取り行る事で至れる階級でもあります。領土なきまま騎士として戦場に出る義務があり、そのため一代で没落する事が非常に多くなっています。

      
 ● 貴族   《権力Lv:5》 《最低権力:80》 《学歴:大学教育》

 ● 大貴族  《権力Lv:6》 《最低権力:90》 《学歴:大学教育》

 都市に居を構え領土の内政を任される支配者層となります。大貴族は数多の領土を統括しています。重税により飢えた民草から恨まれていますが、暴動は騎士団によって鎮圧されます。

      
 ● 聖職者  《権力Lv:5》 《最低権力:80》 《学歴:大学教育》

 ● 枢機卿  《権力Lv:6》 《最低権力:90》 《学歴:大学教育》

 カヴェル教の教えを説く聖職者層です。枢機卿は次世代の教皇候補となる権利を有します。宗教国家故に、貴族階級と同等の権威を有しているため腐敗甚だしく、異端査問官もこの腐敗に飲まれており、《神子》であっても邪魔となれば陥れようとします。

      
 ● 教皇  《権力Lv:9》 《最低権力:99》 《学歴:大学教育》

 カヴェル教国のただ一人の王にして、カヴェル教団の象徴です。代々、枢機卿の中から大貴族の投票によって選ばれます。絶対の独裁権限によって君臨します。

      
 ● 客分  《権力Lv:後見人−1》 《最低権力:−》 《学歴:様々》

 元々の階級を有しながらも、いずれかの階級の後見人を得て、その後ろ盾を得ている者です。外国からの商人はその大半が高位階級であるギルド長を後見人としています。後見人は客分に対してその立場を何時でも返上させる事ができます。



【 階級と境遇 − U 】

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《 境遇 − A 》

 キャラクターの専門的な職能を示します。
      
 ● 戦士

 武装時の戦闘技術を有しています。

 【素手】以外の近接武器による【攻撃判定】に「+10」を受けます。〈装填:2以上〉の射撃武器装備時、〈装填〉が「−1」されます。

 【鎧】の装備時、〈威力:2以上〉の武器攻撃を受けた際、その〈威力〉を「−1」して処理し、また、部位狙い「指定なし」の攻撃を宣言された際、部位決定の出目を任意に上下へ1ずらした結果に変更できます。

      
 ● 武術家

 体術による素手での戦闘技術を有しています。

 【素手】の〈威力〉が「+1」され、【素手】による【攻撃判定】に「+10」、【鎧】を未装備時、【回避判定】に「+20」を受けます。

      
 ● 射手

 射撃武器の扱いに特に秀でています。

 射撃武器による【攻撃判定】に「+10」を受けます。

 〈重量:30以上〉の【鎧】未装備時、かつ〈装填:1以上〉の射撃武器装備時に〈装填〉が「−1」されます(これは【戦士】と重複しません)。

 また同条件下かつ「ターン行動:よく狙う」を行った次のターンにて距離による射撃命中修正ペナルティが「÷2」されます。

      
 ● 焚書官

 『禁書』をはじめする禁忌の呪具の扱いと、その封印に長けています。

  【抵抗判定】、魔力の【感知判定】、超常現象に関する【知識判定】に「+10」を受けます。

      
 ● 禁書守

 『魔力を秘めた『禁書』を有しています。 ゲーム開始時に【非消耗品:鍵の書の紙片】を1つ有しています。

 これは【異端査問官】であれば〈枢機卿〉から許可を得て合法に、【魔狩人】であれば思わぬ遺産や譲渡にてかつ善意の第三者として入手したものと扱います(しかし所有そのものが重罪です)。いずれにせよ『羊飼い』は入手経緯を咎めず有効活用を言いつけます。

 これは【イデア界の修道院】に持ち込みを許可され、そこで保管する事もできます。しかし現世にて焼失したり盗まれたりしてミドルフェイズ終了時点までに取り戻せなかった場合は喪失したとみなし、【堕落判定】の直前に《命運》が「−7」されます。次回ゲーム開始時に喪失した【鍵の書の紙片】を再入手可能かはGMが判断します。

      
 ● 暗殺者

 気配を殺し他者を害する術に長けています。

 【隠密判定】の〈対決判定〉を行う際、自身は《アクション》と《リアクション》どちらでも「+10」を受け、対象は「−10」を受けます。

      
 ● 毒使い

 毒物の扱いに長けており、ある程度免疫を得ています。

 【耐毒判定】【耐病判定】そして薬物に関する【知識判定】に「+10」を受けます(これは【医者】と重複しません)。

 また、自身が【睡眠薬】あるいは【毒薬】を染み込ませた飲食物に第三者が気付くための【感知判定】に「−10」を与えます。

      
 ● 犬使い

 調教した番犬を下僕に飼っています。

 『番犬』を1体得て、「主人」として使役できます。「主人」が能動的に『番犬』に行わせる事が可能な判定は《戦闘に関わる判定》《探索に関わる判定》のみとなります。

 『番犬』は【敵対存在−動物:狼】のデータを使用しますが、《特色:野生》の「《命運》が「0」になると【死亡】します。」は適応しません。『番犬』は『愛馬』と同様にゲーム中に【呼笛判定】で呼ぶ事ができます。『番犬』は【ロスト】しても次回のゲーム開始時に代わりの『番犬』を得られます。



【 階級と境遇 − V 】

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《 境遇 − B 》
      
 ● 仕入屋

 物品調達の技術や人脈を有しています。

 何かしらの購入時に限り、自身の《権力》を「+20」し、その際に購入したものは商品と見られ、装備していなければ盗品だと疑われません。

 また、【業者:借金申請】を行った際の最大借入金額が「×2」されます。

      
 ● 医者

 医療技術や薬物知識を有しています。

 【治療判定】に「+20」、薬物に関する【知識判定】に「+20」を受けます。

 また、治療に必要なラウンド数が「÷2」されます。

      
 ● 冒険者

 道無き道を往く技術を有しています。

 【方角感知】【登攀判定】【跳躍判定】【受身判定】そして動植物に関する【知識判定】に「+10」を受けます。

 また、解体と加工にかける時間が「÷2」されます。

      
 ● 盗っ人

 空き巣や窃盗の術に長けています。

 【解錠判定】【罠判定】【追跡判定】【スリ判定】に「+10」を受けます。

 また、【闇業者】発見のための判定に「+20」を受けます。

      
 ● 運び屋

 険しい地形や危険な状況での馬や馬車の扱いに長けています。

 「騎兵」時に乗物の〈始動〉が「−1」され、【馬術判定】【御者判定】に「+20」を受けます。

      
 ● 探偵

 既知の知識から未知の状況を想像する術に長けています。

 【推測判定】【幸運判定】に「+5」を受け、その際のファンブル値を「98以上」に修正します。

      
 ● 役者

 堂々と何者かに成りすます術に長けています。

 【詐称判定】にて《アクション》時に「+20」を受け、対象の《リアクション》に「−20」を与えます。

      
 ● 策士

 権力の使い方や利用の仕方を熟知しています。

 《陰謀工作》の手配に限り《権力レベル》が「+1」され、【手配判定】に「+20」を受けます。

      
 ● 弁士

 話術に優れ、言いくるめる技術を有しています。

 【誘導判定】の〈対決判定〉を行う際、自身は《アクション》と《リアクション》どちらでも「+10」を受け、対象は「−10」を受けます。

      
 ● 悪党

 修羅場慣れしており、恐喝や脅迫の術に長けています。

 【懐柔判定】の〈対決判定〉を行う際、自身は《アクション》と《リアクション》どちらでも「+10」を受け、対象は「−10」を受けます。

      
 ● 愛人

 生まれ持った自身の性的魅力を活用し相手を魅了する術に長けています。

 【誘導判定】の〈対決判定〉を行う際、対象の《アクション》と《リアクション》どちらにも「−自身の《魅力》の数×3」の修正を与えます。



【 階級と境遇 − W 】

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《 職業の階級例 》
      
 ● 行商人    《 中位市民階級 》

 都市や町と村を繋ぐ商人です。彼らは商人が集い結成したギルドに属する者達で、低位市民階級出身の者達も多くいます。低位市民階級出身者はギルド長の後見人となった後に行商人に弟子入りし、雑用をこなしながら最低限の教育を施されます。

 行商で成り上がった商人がギルドの許可を得て町商人として店を開く事もありますが、その場合、経営者としては最低ランクとして扱われます。また、低位市民階級出身の行商人はそもそも開店許可を得る事はできません。職人もこの商人と同じような制度にあります。商品ではなく人を運ぶ辻馬車の御者も馬車ギルドに属する中位市民階級となります。

      
 ● 経営者    《 高位市民階級 》

 自身が属するギルドの許可を得て店を構え店主として活動する商人達です。ギルドの重鎮は大店の店主であり、ギルド長はその中から領主である貴族によって選ばれます。

      
 ● 酒場経営者    《 中位市民階級 》

 酒を扱う商人のギルドの許可を得て店を構える商人です。非常に需要が高いために店主となれる階級が低くなっています。また、貧民街では低位市民階級が密造酒をギルドに無断で売買している闇酒場がありますが、多くは賄賂によって黙認されています。

      
 ● 娼婦    《 低位市民階級〜大貴族階級 》

 世襲制の職業がひしめく教国にあって、娼婦はその出自に囚われません。どのような身分でも破産し零落すれば娼婦・男娼として落ちぶれる事は珍しくないからです。中位市民階級以下の娼婦たちは、通常、香水ギルドという事実上の売春組織に属して相互扶助の生活を送っています。高位市民階級以上の出身の娼婦達は、支配階級を相手とする高級娼婦として活動します。

      
 ● 共同墓地管理人    《 中位市民階級 》

 市民階級の共同墓地を管理する墓守です。墓穴を掘り、埋葬する墓堀人も兼任していますが、墓掘りは主に跡継ぎの助手に任されます。なお、無縁仏はこの共同墓地へ埋葬されます。

      
 ● 墳墓管理人    《 高位市民階級 》

 支配階級の墓地を管理する墓守です。貴族や聖職者の墓は盗掘を避けるために墳墓が設けられており、それを警護する警備員や清掃人を手配します。

      
 ● 弁護士    《 高位市民階級 》

 裁判において被告の弁護を行う専門の弁士です。裁判にならずともトラブルを交渉で解決する公証人としての業務も請け負っています。被疑者を追求する検事も同じく高位市民階級となり、判決は聖職者階級の専門職である裁判官が請け負います。

      
 ● 死刑執行人    《 騎士階級 》

 法の裁きの下に罪人を処刑する専門の職人です。適切に処刑を行うために、処刑用具の鍛錬をして戦士の技を磨き、人体の研究を兼ねた医学知識を有しています。死刑執行人が処刑する罪人は通常の人間に限定され、魔女裁判による処刑は【異端査問官】が担当します。

      
 ● 拷問官    《 騎士階級 》

 国家の重罪人に対して拷問を行い自白を強要する技術に長けた専門の職人です。死刑執行人と同様に医療技術に長けています。魔女裁判においても【異端査問官】と同じく拷問を担当できる権限を有していますが、拷問で被疑者を死亡させる事は厳禁とされています。

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