【 戦闘進行と損傷 − U 】
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武器攻撃を行う場合、その攻撃は対象のいずれかの部位へと向けられます。攻撃者は何処を狙うか、あるいは特に狙いを定めないかを宣言しなければなりません。 〈威力:1以上〉の攻撃が武器以外に命中した場合、対象の《命運》が武器の<威力>だけ減少し、その上で指定の【損傷】を受けます。〈威力:4以上〉の武器から【損傷】を受けた場合、一度に同じ【損傷】を2回受けたものと扱います。
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【 戦闘進行と損傷 − V 】
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他者が移動した際、それを妨害するルールです。
キャラクターは、「装備中の近接武器の最大〈射程〉以内」を「間合い」とし、「間合い」に【移動】してくる、あるいは「間合い」から【移動】しようとする任意の対象に、1ラウンド中に2体まで1回づつ「封鎖」を行えます0。
キャラクターが「封鎖」を宣言した際、【突破判定】を行う被封鎖者を「封鎖」可能な第三者が存在する場合、その第三者は被封鎖者に対して「突破妨害」を宣言できます。「突破妨害」を宣言された者は【突破判定】に「−5」を受けます。これは「−40」まで重複します。「突破妨害」を宣言した者は「封鎖」を行ったと扱います。
射撃武器にて「3PT以上」距離の離れた対象に攻撃を行う際、【攻撃判定】に「−(対象までの距離PT−2)×5」を受けます。
射撃攻撃を行う際、攻撃が狙った対象ではなく、その周囲にいる別キャラクターに命中してしまう可能性があります。攻撃者は【攻撃判定】成功後に、誤射の有無を確認するための判定を行わなければなりません。 まず、誤射しかねない対象を決定します。狙った対象を「基本対象」とし、基本対象から2PT以内にいる対象全てが、誤射対象候補となります。攻撃者は【器用判定】を行い、失敗すれば誤射した事となり、GMは誤射対象候補から任意に実際に命中した誤射対象を決定します。 攻撃者が基本対象を狙った射撃攻撃は、その誤射対象に命中する射線を取り、誤射対象はその射撃攻撃に対して【回避判定】を行えます。
空を飛ぶ術をもった動物や、空を飛ぶ『魔女』と相対した時のルールとなります。空中での上昇や下降を任意に行える存在が実際に飛行している状態を「飛行状態」と扱います。 「飛行状態」と「非飛行状態」間の切り替えはターン行動として扱い、「飛行状態」となった時点での高度は「5PT」とします。「飛行状態」時で【移動】を行う場合、この高度の上昇と下降も「5PT」の範囲内で同時に行う事ができます。その下降で高度が0PTとなった場合は「飛行状態」は即解除されます。 武器攻撃において、横軸の距離と高度差が共に武器の〈射程〉内になければ攻撃できません。 |
【 戦闘進行と損傷 − W 】
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キャラクターは当然ながら火傷でも【損傷】を受け《命運》が低下します。火の〈威力〉は常に「1」ですが、【大量出血】を発生させません。このため、「急所」に火傷を受けた場合は「軽傷」に受けたとして処理します。また、火傷した部位が【損傷】を受けるのは「エンドフェイズ」となります。 火の勢いが強く火傷にとどまらず炎上する場合、「炎上状態」となります。例えば、燃えた【松明】に殴られただけでは火傷は負っても「炎上状態」にはなりませんが、身動き出来ない状態で同じ部位に2ラウンド以上押し付けられ続ければ「炎上状態」となります。 「炎上状態」では火傷の【損傷】処理の直後に【幸運判定】を行います。その目標値は「75」であり、失敗すると火が他の部位に燃え移った事となり、「【部位狙い:指定なし】にて燃え移った箇所を決定します。 延焼した場合、次の「エンドフェイズ」にて延焼元だけでなく延焼先も火傷を受けます。ただし、1ラウンドに火傷で低下する『命運』は「1」までにとどまり、延焼も1ラウンドに1箇所までとなります。 「炎上状態」は、【水袋】満杯分の水をかぶるか、装備中の一番外側の【衣装】あるいは【防具】を脱ぎ捨てる、耐火性の高い地面に転がる事で解除出来ます。 水をかぶる、かける場合は【道具使用】、地面に転がる行為は【ターン行動】として扱います。 解除時、身を包む炎は全て鎮火します。【衣装】や【防具】が火に焼け落ちて喪失するのか、それが家屋に延焼するのかはGM裁定となります。
家屋が火災に見舞われる事もあります。その際、まずGMが、火災が実際に発生するかどうかを任意に決定します。却下した場合、火災は何かしらの偶然によって発生せず、放火の場合は必ず失敗します。火災を容認した場合、火災をどのように処理するかどうかの指針は以下のものとなります。
放火の際は家屋の主な材質を確認します。放火魔は以下で指定された「放火準備時間」を要して火種の着火を行い、「材質による放火容易度」を目標値とする【幸運判定】を行います。これに成功する事で放火に成功し、失敗時は家屋を包む煙を出した後に自然鎮火します。 燃えた【松明】を押し当てるなどした場合、放火準備時間は「−10」されます。【ランタンの油】を放火に利用する場合、【幸運判定】に〈重量:1〉毎に「+5」されます。 放火に成功された家屋は火元に最も近い部屋から燃え始めます。部屋が火の海となるまでの基本時間は、「【家屋】の〈保管〉×10」ラウンドとなります。部屋が火の海となると上下左右で隣接する部屋へと自動的に延焼していきますが、この時、GMは延焼していく部屋や火の海となるまでの時間を任意に指定する事ができ、必要とあらば上階の倒壊や床の抜け落ち、地下への影響の有無も任意に指定できます。 燃えている部屋は消火を試みる事ができます。その場合、「【家屋】の〈保管〉×部屋の消火活動を行う人数」を成功基準値とする【幸運判定】を消化活動を行う者の代表者が行い、成功すれば消化用灰などの設備があったとして鎮火し、燃えた部分は燃え尽きたとして延焼も起こりません。失敗するとその部屋は手遅れとなります。 隣接する家屋にも延焼するかどうかは、GMが任意に決定します。
放火は町中はもとより、屋外であっても山火事に発展するなどして多大な被害を人里が受ける可能性があります。このため、放火行為は人の集落であれば死刑が言い渡される重罪であり、たとえ『異端査問官』であっても被害状況によっては罰則を免れません。『魔女』であっても、集落の支配のために暗躍する彼らが放火に走る事は稀である狂行であり、PCが行う場合は地元権力者の許可が必須となるでしょう。 |
【 戦闘進行と損傷 − X 】
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人間は当然ながら光がある場所でなければ、それを視覚で捉える事はできません。太陽が沈み、照明も月明かりもない闇の中では、人間は視界をほぼ完全に失います。 こうした状況では灯りがある故の有利と不利、闇の中故の有利と不利が発生します。GMは状況に応じて、キャラクターが行動を行う際に「有利」「不利」「対等」かを裁定します。 「有利」であれば【判定】に「+40」、「不利」であれば「−40」、「対等」であれば〈判定修正値〉は「なし」となります。 真なる闇ではなく月明かりほどであれば変動値は「±20」となります。 例えば、月明かりのない夜、闇を利用して篝火の側の見張りに見つからぬようやりすごそうとする泥棒の場合、泥棒は闇の中の「有利」を得て【隠密判定】に「+40」を、見張りは闇を見通せない「不利」を受け、【看破判定】に「−40」を受けます。 この時泥棒が松明を掲げていれば、闇の中で目立つ灯りは「不利」となり【隠密判定】に「−40」、見張りは見つけやすいために【看破判定】に「+40」を受けます。 互いが照明の灯りの範囲内で戦闘を始めれば、互いに「対等」となり〈判定修正値〉はありません。また、互いに闇の中で戦闘を開始すれば、これも「対等」となるために、〈判定修正値〉はありません。 泥棒はなんとか見張りを掻い潜り、灯りなき宝物庫へ至ります。しかし灯りを有していなければ、【開錠判定】や【探索判定】に「−40」を受けてしまいます。
キャラクターが水中で活動する場合、水の抵抗や水の流れによって、その行動が制限されます。それによる〈判定修正値〉は、やはり「有利」「不利」「対等」という基準で決定します。「重鎧」と明記されている【防具】を装備している者は、「阻害」を受け【判定】に「−20」を受けた上で、沈んでいきます。 それとは別に、移動力の低下や呼吸困難、また水中故にまず行えない行動などが発生します。 全身が浸かるほどの水中で使用できる武器は【短剣】【小剣】【剣】か、【素手】による【揉みあい状態】からの【首を絞める】のみとなります。 さらにそれほどの水深では、レディフェイズ開始時に《機敏》を〈目標値〉とする、水泳の判定を行い、失敗すると溺れてしまいます。溺れた場合、水による【首を締める】を受けているとします。救助者は溺れている要救助者を救助する際、「水から要救助者を【引き剥がす】」として扱います。成功すれば、要救助者を水面へ連れ出す事ができますが、失敗すれば巻き込まれて溺れてしまいます。 水の流れがある場合、「急流」であれば、【移動】の最大距離が変化します。下流へは「最大3PTまで」となり、上流へが「最大1PTまで」、どちらでもなければ「最大2PT」までとなります。「乗物」の場合、足がつかない場合と馬車の場合、流れに任せて流される以外に何も行えなくなります。
以下は武器で扉や壁を破壊する際の構造物のデータです。「必要威力」で下回る〈威力〉の武器は構造物を破壊できません。「必要威力」を上回る武器で構造物を攻撃した際、構造物は〈威力〉に等しい【損壊度】を受けます。【損壊度】が「耐久度」以上となった時、構造物は破壊され、人1人分が通れるだけの穴が空きます。 ただし、射撃武器は【損壊度】を与える事はできても破壊はできません。
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【 戦闘進行と損傷 − Y 】
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キャラクター間が掴みかかっての殴り合い揉み合いを行う際の特殊戦闘データです。これらは追加の行動として宣言できます。
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上記の戦闘進行ルールでの戦闘はともすれば一瞬で勝負が付くスリリングなルールとなっています。しかし、それは「運が悪かった」では納得しかねる程にあっけなく決着がついてしまう事もあります。PCが、そしてボスが一瞬で倒されてしまうのは避けたいとGMが判断するならば、以下の選択ルールの適応を推奨します。 適応時は、シナリオ途中から適応するのではなく、シナリオ開始時から終了まで一貫して適応し、事前に選択ルールの適応をPLに通告してください。GMは、《端役》《モブ》のNPCに関しては状況に応じて選択ルールの未適応を任意に指定しても構いません。 自身がなにかしらの【損傷】を受けた際、自身の《命運》が最大値の半分以上だった場合、任意に《命運》を消費する事でその【損傷】を即時解除します。ただし、「首を絞める」などの窒息による【頭部重傷】は解除できません。これを適応した際、その演出は「キャラクターを保護する羊飼い、あるいは黒山羊が損傷を即座に癒やした」としても「そもそも、損傷を受けなかった」としても構いません。GMが任意に決定してください。 【損傷】を受けた時の《命運》が最大値の半分未満だった場合、【損傷】を解除する事はできませんが、消費する事で半分未満となる場合は解除が可能です。
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