【 戦闘進行と損傷 − T 】

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《 ラウンド進行とフェイズ 》

 戦闘の時系列は「ラウンド」と呼ばれる単位で進行します。ラウンドは4種の「フェイズ」に分かれており「オーダー」「レディ」「ターン」「エンド」の順に進行します。これが戦闘終了するまで繰り返されます。

【 ラウンドの流れ 】
オーダー

 ターンフェイズでの各人の行動順番を《機敏》の高い順に決定します。同値であれば《知恵》を比べ、それも同値であれば、互いに2D10を振り、高い出目の者が先に行動します。これは決着がつくまで繰り返します。

こうして決定された行動順を「手番」とします。手番が決定すると、レディフェイズに移行します。

レディ

 各人が手番にレディ行動を1つ選択し、それを実行します。レディ行動を行ったキャラクターは【準備完了】となります。全員が【準備完了】となればターンフェイズへ移行します。

ターン

 各人が手番にターン行動を1つ選択し、それを実行します。ターン行動を行ったキャラクターは【行動済み】となります。全員が【行動済み】となればエンドフェイズへ移行します。

エンド

 エンドフェイズにて指定された処理を行います。処理の順番は「得から損へ」とします。それらの処理が全て終了すると、このラウンドは終了し、次のラウンドのオーダーフェイズへ移行します。


【 レディ行動 】
移動

 「1〜2PT」の距離を移動できます。

装填

 射撃武器の弾矢の装填を1段階行います。「弩」あるいは「銃」ではない場合、装填済となった後はターン行動で「装填」「射撃」「狙撃」のいずれかを行わなければ、装填は中断されたと扱います。

装備切替

 武器もしくは盾の所持品を装備品に、あるいは装備品を所持品に切替ます。武器を盾として使う、あるいは盾を武器に切り替え戻す事も、これで行なえます。まとめて一度に行えます。

道具準備

 道具の準備・衣装・鎧・装身具いずれか1個の着脱を1段階行います。

魔術準備

 魔術行使の準備行動を行います。魔術準備完了後にターン行動で「魔術準備」あるいは「魔術発動」を行わなかった場合、魔術を中断したと扱います。

拾う・落とす

 0PT距離に落ちているアイテムを拾って所持品とします。所持品のアイテムをその場の地面に落とす事もできます。

乗り降り

 0PT距離の乗物に乗り込む。あるいは、乗物から降ります。

始動

 乗物での移動を行うための始動を1段階行います。

遅延

 自身より手番後続となるキャラクターを1人指名します。次ターンの自身の手番を、指名対象直後に変更します。既に自身を指名した者には指名できません。

待機

 準備行動の必要がないと判断し、待機します。


【 ターン行動 】
攻撃

 近接武器で攻撃します。

フェイント

 近接攻撃を行うと見せかけ相手の隙を誘います。近接攻撃の対象にできる相手と【知恵判定】で〈判定対決〉をします。自身の勝利時、相手は次ラウンド終了までの間に最初に行う【回避判定】に「−10」を受けます。重複します。

防御専念

 次ターンの自身手番開始まで【回避判定】に「+10」を受けます。

装填

 射撃武器の弾矢の装填を1段階行います。「弩」「銃」以外かつ装填済でこれを行う場合、装填済を維持して待機すると扱われます。

射撃

 装填済みの射撃武器で攻撃します。誤射が発生します。射撃後、装填が解除されます。

狙撃

 装填済みの射撃武器でよく狙い攻撃します。誤射は発生しませんが、【攻撃判定】に「−10」されます。狙撃後、装填が解除されます。

装備切替

 武器もしくは盾の所持品を装備品に、あるいは装備品を所持品に切替ます。武器を盾として使う、あるいは盾を武器に切り替え戻す事も、これで行なえます。まとめて一度に行えます。

道具準備

 道具の準備・衣装・鎧・装身具いずれか1個の着脱を1段階行います。

道具の使用

 使用準備を終えた道具を使用します。

魔術準備

 魔術行使の準備行動を行います。魔術準備完了後にこれを行う場合、魔術を中断せずに魔術準備完了の状態を維持できます。

魔術行使

 魔術準備を終えた魔術を発動します。

投げ落とす

 所持品のアイテム、あるいは装備中の武器・盾(両方可能)を「1〜3PT」の距離の地面に投げ落とします。

乗り降り

 0PT距離の乗物に乗り込む。あるいは、乗物から降ります。

始動

 乗物での移動を行うための始動を1段階行います。

待機

 ターン行動の必要がないと判断し、待機します。


【 特殊行動 】
全力移動

 【移動】を宣言時に「全力移動」を宣言できます。最大移動距離を「+1PT」します。次ターンまで【回避判定】に「−40」を受けます。

庇う

 「0PT以内」の対象が武器攻撃の【回避判定】に失敗した際に宣言できます。その攻撃は自身に自動的に命中し、命中部位は「指定なし」の【部位狙い】で改めて決定します。1ラウンドに1回のみ行なえます。

二刀流

 片手用近接武器を左右の両手に1本づつ装備した場合、一度の攻撃機会に左右の武器で1回づつ攻撃を行えます。ただし、その際の【攻撃判定】の〈目標値〉は「《器用》÷2」となります。

カウンター

 自身が近接攻撃の対象となった上で、相手が【攻撃判定】に失敗した際、相手に「指定なし」の【部位狙い】で、一度の攻撃機会としての近接攻撃を即座に行えます。ただし、カウンターへのカウンターは行なえません。

 二刀流による攻撃へカウンターを行う場合、カウンターは二刀流攻撃処理の後に行います。



【 戦闘進行と損傷 − U 】

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《 攻撃による部位狙いと損傷 》

 武器攻撃を行う場合、その攻撃は対象のいずれかの部位へと向けられます。攻撃者は何処を狙うか、あるいは特に狙いを定めないかを宣言しなければなりません。

 〈威力:1以上〉の攻撃が武器以外に命中した場合、対象の《命運》が武器の<威力>だけ減少し、その上で指定の【損傷】を受けます。〈威力:4以上〉の武器から【損傷】を受けた場合、一度に同じ【損傷】を2回受けたものと扱います。

【 部位狙い 】
腕部

 【攻撃判定】に「−10」を受けます。「腕部負傷」を与えます。

脚部

 【攻撃判定】に「−10」を受けます。「脚部負傷」を与えます。

急所

 【攻撃判定】に「−20」を受けます。「大量出血」を与えます。

頭部

 【攻撃判定】に「−40」を受けます。「頭部負傷」を与えます。

武器落とし

 【攻撃判定】に「−20」を受けます。【頑強判定】で〈判定対決〉を行い、勝利すれば対象の武器が【装備品】【所持品】から解除され、その場に落下します。

指定なし

 特定の部位を狙わず、隙のある箇所に攻撃を行います。
1D10を振り、以下の表に対応する部位へ結果的に攻撃が向かいます。

1〜2 頭部

 【攻撃判定】ペナルティが「−20」に軽減されます。

3〜4 腕部

 【攻撃判定】ペナルティが「−5」に軽減されます。

5〜6 軽傷

 戦闘に支障が出ない部位へ攻撃が向かいます。

7〜8 脚部

 【攻撃判定】ペナルティが「−5」に軽減されます。

9〜10 急所

 【攻撃判定】ペナルティが「−10」に軽減されます。


【 損傷 】
腕部負傷

 腕の可動部位に傷を負い、《器用》を使う判定に「−20」されます。
さらに【腕部負傷】を受けると負傷から重傷となります。

腕部重傷

 《器用》を使う判定に自動的に失敗し、物を持つ、掴む事ができなくなります。
さらに【腕部負傷】を受けると、あらたに【大量出血】を受けます。

脚部負傷

 脚の可動部位に傷を負い、《機敏》を使う判定に「−20」されます。
さらに【脚部負傷】を受けると負傷から重傷となります。

脚部重傷

 《機敏》を使う判定に自動的に失敗します。
【移動】可能な距離が半減します。
さらに【脚部負傷】を受けると、あらたに【大量出血】を受けます。

大量出血

 急所に傷を負い、《器用》《敏捷》《体格》を使う判定に「−10」を受けます。
以後、1時間経過毎に《命運》が「1点」減少します。
大量出血は重複していき、4回重なると【死亡】します。

頭部負傷

 頭部に傷を負い、《器用》《機敏》《知恵》を使う判定に「−20」を受けます。
さらに【頭部負傷】を受けると【頭部重傷】となります。

頭部重傷

 意識を失い、何も行えなくなります。
さらに頭部負傷を受けると【死亡】となります。

死亡

 命を失い、もはや奇跡以外に回復する事はありません。



【 戦闘進行と損傷 − V 】

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《 戦場での距離概念 》

0PT 密着距離 手で届く距離。
1〜4PT 白兵距離 近接武器を持って届く距離。
5〜10PT 射撃距離 近接武器は届かず、射撃武器で狙いやすい距離。
11〜20PT 長距離 射撃武器でも命中が見込めない距離。
21〜PT 背景 戦場外。

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《 封鎖 》

 他者が移動した際、それを妨害するルールです。 キャラクターは、「装備中の近接武器の最大〈射程〉以内」を「間合い」とし、「間合い」に【移動】してくる、あるいは「間合い」から【移動】しようとする任意の対象に、1ラウンド中に2体まで1回づつ「封鎖」を行えます0。

 封鎖者は被封鎖者に【封鎖判定】を行い、被封鎖者は対して【突破判定】を行う〈判定対決〉を行います。封鎖者が勝利すると「間合い」の任意の位置で被封鎖者の【移動】は制止されます。

 キャラクターが「封鎖」を宣言した際、【突破判定】を行う被封鎖者を「封鎖」可能な第三者が存在する場合、その第三者は被封鎖者に対して「突破妨害」を宣言できます。「突破妨害」を宣言された者は【突破判定】に「−5」を受けます。これは「−40」まで重複します。「突破妨害」を宣言した者は「封鎖」を行ったと扱います。

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《 距離による射撃命中修正 》

 射撃武器にて「3PT以上」距離の離れた対象に攻撃を行う際、【攻撃判定】に「−(対象までの距離PT−2)×5」を受けます。

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《 射撃武器の誤射 》

 射撃攻撃を行う際、攻撃が狙った対象ではなく、その周囲にいる別キャラクターに命中してしまう可能性があります。攻撃者は【攻撃判定】成功後に、誤射の有無を確認するための判定を行わなければなりません。

 まず、誤射しかねない対象を決定します。狙った対象を「基本対象」とし、基本対象から2PT以内にいる対象全てが、誤射対象候補となります。攻撃者は【器用判定】を行い、失敗すれば誤射した事となり、GMは誤射対象候補から任意に実際に命中した誤射対象を決定します。

 攻撃者が基本対象を狙った射撃攻撃は、その誤射対象に命中する射線を取り、誤射対象はその射撃攻撃に対して【回避判定】を行えます。

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《 飛行状態 》

 空を飛ぶ術をもった動物や、空を飛ぶ『魔女』と相対した時のルールとなります。空中での上昇や下降を任意に行える存在が実際に飛行している状態を「飛行状態」と扱います。

 「飛行状態」と「非飛行状態」間の切り替えはターン行動として扱い、「飛行状態」となった時点での高度は「5PT」とします。「飛行状態」時で【移動】を行う場合、この高度の上昇と下降も「5PT」の範囲内で同時に行う事ができます。その下降で高度が0PTとなった場合は「飛行状態」は即解除されます。

 武器攻撃において、横軸の距離と高度差が共に武器の〈射程〉内になければ攻撃できません。



【 戦闘進行と損傷 − W 】

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《 火と炎上 》

 キャラクターは当然ながら火傷でも【損傷】を受け《命運》が低下します。火の〈威力〉は常に「1」ですが、【大量出血】を発生させません。このため、「急所」に火傷を受けた場合は「軽傷」に受けたとして処理します。また、火傷した部位が【損傷】を受けるのは「エンドフェイズ」となります。

 火の勢いが強く火傷にとどまらず炎上する場合、「炎上状態」となります。例えば、燃えた【松明】に殴られただけでは火傷は負っても「炎上状態」にはなりませんが、身動き出来ない状態で同じ部位に2ラウンド以上押し付けられ続ければ「炎上状態」となります。

 「炎上状態」では火傷の【損傷】処理の直後に【幸運判定】を行います。その目標値は「75」であり、失敗すると火が他の部位に燃え移った事となり、「【部位狙い:指定なし】にて燃え移った箇所を決定します。

 延焼した場合、次の「エンドフェイズ」にて延焼元だけでなく延焼先も火傷を受けます。ただし、1ラウンドに火傷で低下する『命運』は「1」までにとどまり、延焼も1ラウンドに1箇所までとなります。

 「炎上状態」は、【水袋】満杯分の水をかぶるか、装備中の一番外側の【衣装】あるいは【防具】を脱ぎ捨てる、耐火性の高い地面に転がる事で解除出来ます。

 水をかぶる、かける場合は【道具使用】、地面に転がる行為は【ターン行動】として扱います。

 解除時、身を包む炎は全て鎮火します。【衣装】や【防具】が火に焼け落ちて喪失するのか、それが家屋に延焼するのかはGM裁定となります。

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《 家屋の延焼 》

 家屋が火災に見舞われる事もあります。その際、まずGMが、火災が実際に発生するかどうかを任意に決定します。却下した場合、火災は何かしらの偶然によって発生せず、放火の場合は必ず失敗します。火災を容認した場合、火災をどのように処理するかどうかの指針は以下のものとなります。

木材など耐火性の低い材質 煉瓦・石など耐火性の高い材質
放火準備時間 10分 30分
材質による放火容易度 50 25

 放火の際は家屋の主な材質を確認します。放火魔は以下で指定された「放火準備時間」を要して火種の着火を行い、「材質による放火容易度」を目標値とする【幸運判定】を行います。これに成功する事で放火に成功し、失敗時は家屋を包む煙を出した後に自然鎮火します。

 燃えた【松明】を押し当てるなどした場合、放火準備時間は「−10」されます。【ランタンの油】を放火に利用する場合、【幸運判定】に〈重量:1〉毎に「+5」されます。

 放火に成功された家屋は火元に最も近い部屋から燃え始めます。部屋が火の海となるまでの基本時間は、「【家屋】の〈保管〉×10」ラウンドとなります。部屋が火の海となると上下左右で隣接する部屋へと自動的に延焼していきますが、この時、GMは延焼していく部屋や火の海となるまでの時間を任意に指定する事ができ、必要とあらば上階の倒壊や床の抜け落ち、地下への影響の有無も任意に指定できます。

 燃えている部屋は消火を試みる事ができます。その場合、「【家屋】の〈保管〉×部屋の消火活動を行う人数」を成功基準値とする【幸運判定】を消化活動を行う者の代表者が行い、成功すれば消化用灰などの設備があったとして鎮火し、燃えた部分は燃え尽きたとして延焼も起こりません。失敗するとその部屋は手遅れとなります。

 隣接する家屋にも延焼するかどうかは、GMが任意に決定します。

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《 放火行為について 》

 放火は町中はもとより、屋外であっても山火事に発展するなどして多大な被害を人里が受ける可能性があります。このため、放火行為は人の集落であれば死刑が言い渡される重罪であり、たとえ『異端査問官』であっても被害状況によっては罰則を免れません。『魔女』であっても、集落の支配のために暗躍する彼らが放火に走る事は稀である狂行であり、PCが行う場合は地元権力者の許可が必須となるでしょう。



【 戦闘進行と損傷 − X 】

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《 闇の中の判定 》

 人間は当然ながら光がある場所でなければ、それを視覚で捉える事はできません。太陽が沈み、照明も月明かりもない闇の中では、人間は視界をほぼ完全に失います。

 こうした状況では灯りがある故の有利と不利、闇の中故の有利と不利が発生します。GMは状況に応じて、キャラクターが行動を行う際に「有利」「不利」「対等」かを裁定します。

 「有利」であれば【判定】に「+40」、「不利」であれば「−40」、「対等」であれば〈判定修正値〉は「なし」となります。

 真なる闇ではなく月明かりほどであれば変動値は「±20」となります。

 例えば、月明かりのない夜、闇を利用して篝火の側の見張りに見つからぬようやりすごそうとする泥棒の場合、泥棒は闇の中の「有利」を得て【隠密判定】に「+40」を、見張りは闇を見通せない「不利」を受け、【看破判定】に「−40」を受けます。

 この時泥棒が松明を掲げていれば、闇の中で目立つ灯りは「不利」となり【隠密判定】に「−40」、見張りは見つけやすいために【看破判定】に「+40」を受けます。

 互いが照明の灯りの範囲内で戦闘を始めれば、互いに「対等」となり〈判定修正値〉はありません。また、互いに闇の中で戦闘を開始すれば、これも「対等」となるために、〈判定修正値〉はありません。

 泥棒はなんとか見張りを掻い潜り、灯りなき宝物庫へ至ります。しかし灯りを有していなければ、【開錠判定】や【探索判定】に「−40」を受けてしまいます。

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《 水中での行動 》

 キャラクターが水中で活動する場合、水の抵抗や水の流れによって、その行動が制限されます。それによる〈判定修正値〉は、やはり「有利」「不利」「対等」という基準で決定します。「重鎧」と明記されている【防具】を装備している者は、「阻害」を受け【判定】に「−20」を受けた上で、沈んでいきます。

 それとは別に、移動力の低下や呼吸困難、また水中故にまず行えない行動などが発生します。

 全身が浸かるほどの水中で使用できる武器は【短剣】【小剣】【剣】か、【素手】による【揉みあい状態】からの【首を絞める】のみとなります。

 さらにそれほどの水深では、レディフェイズ開始時に《機敏》を〈目標値〉とする、水泳の判定を行い、失敗すると溺れてしまいます。溺れた場合、水による【首を締める】を受けているとします。救助者は溺れている要救助者を救助する際、「水から要救助者を【引き剥がす】」として扱います。成功すれば、要救助者を水面へ連れ出す事ができますが、失敗すれば巻き込まれて溺れてしまいます。

 水の流れがある場合、「急流」であれば、【移動】の最大距離が変化します。下流へは「最大3PTまで」となり、上流へが「最大1PTまで」、どちらでもなければ「最大2PT」までとなります。「乗物」の場合、足がつかない場合と馬車の場合、流れに任せて流される以外に何も行えなくなります。

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《 構造物破壊 》

 以下は武器で扉や壁を破壊する際の構造物のデータです。「必要威力」で下回る〈威力〉の武器は構造物を破壊できません。「必要威力」を上回る武器で構造物を攻撃した際、構造物は〈威力〉に等しい【損壊度】を受けます。【損壊度】が「耐久度」以上となった時、構造物は破壊され、人1人分が通れるだけの穴が空きます。

 ただし、射撃武器は【損壊度】を与える事はできても破壊はできません。

構造物 木の扉 補強扉 鉄格子 木・土の壁 煉瓦・石の壁
必要威力
耐久度 10 10 30 20 100



【 戦闘進行と損傷 − Y 】

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《 揉み合い 》

 キャラクター間が掴みかかっての殴り合い揉み合いを行う際の特殊戦闘データです。これらは追加の行動として宣言できます。

【 レディ行動 】
開放する

 「揉み合い」状態で行えます。掴み掛かった相手を開放し、互いに「揉み合い」を解除します。相手が解放を望まない場合、「跳ね除ける」となります。

跳ね除ける

 「揉み合い」状態で行えます。相手と【頑強判定】での〈判定対決〉を行い、勝利すると互いに「揉み合い」が解除されます。

 この時、複数と「揉み合い」にある場合、自身の開放を望まない揉み合い相手全員との〈判定対決〉を要します。

【 ターン行動 】
掴みかかる

 「揉み合い」状態ではない相手に、素手による近接攻撃を行います。命中時、攻撃処理後に互いに「揉み合い」の状態となります。

 この状態では《機敏》が半減し、1ラウンド中の行動として「開放する」「跳ね除ける」「首を絞める」「射程0での近接攻撃」「装備切替」「待機」のいずれかしか行えなくなります。また、「封鎖」も行えなくなります。

引き剥がす

 「0PT以内」で「揉み合い」状態にある者1人に行えます。相手と【頑強判定】で〈判定対決〉を行い、勝利すると相手の「揉み合い」を解除しつつ、引き剥がした相手と「揉み合い」状態となります。

 新たに発生した「揉み合い」は、相手と同意があれば即座に解除できます。

抑えこむ

 「0PT以内」で「揉み合い」状態にある者1名に行えます。自身も相手と「揉み合い」状態となります。

 ただし、既に相手と「揉み合い」状態にある人数が合計で3人である場合、行えません。

首を絞める

 「揉み合い」状態にある者が、その相手へ行えます。また、【ギャロット】以外の武器を装備していると行えません。ただし首絞めは無抵抗の相手には自動的に成功します。

 相手と【頑強判定】で〈判定対決〉を行い、勝利すると首を絞める事に成功します。「揉み合い」が解除されるまでに3回「首を絞める」に成功すると、相手は【頭部重傷】を受けます。気絶した相手に首絞めを継続して2ターン行うと、対象は【死亡】します。

 複数が揉み合いの状態にある場合、既に別の者に首を絞められている相手をさらに首絞めする事はできません。


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《 選択ルール ・ 損傷解除 》

 上記の戦闘進行ルールでの戦闘はともすれば一瞬で勝負が付くスリリングなルールとなっています。しかし、それは「運が悪かった」では納得しかねる程にあっけなく決着がついてしまう事もあります。PCが、そしてボスが一瞬で倒されてしまうのは避けたいとGMが判断するならば、以下の選択ルールの適応を推奨します。

 適応時は、シナリオ途中から適応するのではなく、シナリオ開始時から終了まで一貫して適応し、事前に選択ルールの適応をPLに通告してください。GMは、《端役》《モブ》のNPCに関しては状況に応じて選択ルールの未適応を任意に指定しても構いません。

 自身がなにかしらの【損傷】を受けた際、自身の《命運》が最大値の半分以上だった場合、任意に《命運》を消費する事でその【損傷】を即時解除します。ただし、「首を絞める」などの窒息による【頭部重傷】は解除できません。これを適応した際、その演出は「キャラクターを保護する羊飼い、あるいは黒山羊が損傷を即座に癒やした」としても「そもそも、損傷を受けなかった」としても構いません。GMが任意に決定してください。

 【損傷】を受けた時の《命運》が最大値の半分未満だった場合、【損傷】を解除する事はできませんが、消費する事で半分未満となる場合は解除が可能です。
 
解除する損傷 ◯◯ 負傷 ◯◯重傷 大量出血
消費命運

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