【 舞台の主役達 − T 】

__《 神子 》___________________________________

 『啓示の夢』を見た、『楽園』に戻る資格を有する人間です。『神子』は、『カヴェル教団』の主神に仕える超越者達からの加護を有しています。この加護により、『神子』は主神の宿敵たる『魔王』、その配下である『黒山羊』の尖兵たる『魔女』に対抗するための術を有しています。

 『神子』は、その証として、身体のいずこかに「逆十字」をモチーフとした紋章が刻まれています。この紋章は、『魔女』が同様にいずこかに刻む「烙印」と非常に似通ったものであり、『神子』は時として『魔女』と間違われ、冤罪を受ける事があります。『神子』どうしは存在を認識できれば、加護を通じて相手を『神子』である事を感知できます。

 『神子』は、その特殊性故に、やがて『魔女』と邂逅し、破滅の誘惑を受ける運命とされます。

__《 アルコーン 》________________________________

 主神に仕える、『神子』を導く天使達の長の如き固有の存在です。『アルコーン』は『羊飼い』と呼ばれる配下を有し、『神子』に対してその姿をあらわす事は滅多にありませんが、必ず一度は『神子』の前に現れます。それは『啓示の夢』と呼ばれる時で、その夢の中で、『神子』は只の人間から『神子』として覚醒します。

 『啓示の夢』では、『神子』は霧に包まれた荘厳な石造りの門の前に立っている事に気づき、『アルコーン』はその門の前で『神子』にとって最も大事な存在の姿をとって現れます。『アルコーン』は、「楽園に戻る資格あり」と『神子』に告げ、「故に、かつての過ちを繰り返し続ける魔王とその配下達に立ち向かわねばならない。」と告げます。すると、景色は『神子』がかつて最も美しい、あるいは最も幸福であると思った光景に一変し、その光景が、ぼろぼろと崩れて地獄の様相となり、『神子』を包み込んでいきます。『アルコーン』は、それを「魔女に立ち向かわずにいれば、あるいは魔女の誘惑に飲まれれば、確実に訪れる破滅」の光景と説明します。やがて地獄は『神子』の足場を崩壊させ、無限の奈落へと落下し、そこで『神子』は目覚めます。

 目覚めた『神子』は、それまで知り得なかったはずの「魔術への対抗」の術と『イデア界』への行き来の術、そして、それまでなかったはずの紋章が身体に刻まれている事を知り、与えられた使命を果たすために魔女狩りへと踏み出します。

__《 羊飼い 》__________________________________

 『アルコーン』に付き従う、『神子』の保護者のような超越的な存在です。『羊飼い』は『イデア界』と呼ばれる異次元空間にて、『神子』を直接導き、時には『魔女』の主である『黒山羊』から『神子』を護る使命を有しています。

 『羊飼い』はそれぞれが個性を有しており、その多くが人の姿を取っています。彼等、あるいは彼女等は、現世にて直接顕現する事が主神から禁じられており、直接魔女狩りに赴く事が出来ず、『神子』への直接的な保護も『黒山羊』という同格の存在の干渉時のみに限られます。

 『羊飼い』は己の領土を『イデア界』に有しており、それら領土を繋ぐ場所に『修道院』を作り、そこを『羊飼い』どうしの寄り合い所とすると共に、『神子』が集い合う場所として開放しています。『羊飼い』はそこで『神子』に、目下脅威となりうる存在の情報を与え、具体的な魔女狩りの指示を出しています。

 教団では、『羊飼い』も『アルコーン』も主神に仕える重鎮であり、彼等自身も肯定しますが、神を『デミウルゴス』ではなく『アイオーン』と呼び、「我らが仕えるは教団ではない。」として、教団に対し距離を取っています。

__《 デミウルゴス 》_______________________________

 プルガトリウムを支配するカヴェル教団が崇める主神です。カヴェル教団の教皇は主神から神権を託されているとされ、教皇の言葉は、教団において主神の言葉と同等の威厳を持ちます。

 その教義は「罪は叡智に浄化され、穢れなき魂は、楽園で永遠の至福に包まれる。」ですが、現在の教皇は「故に叡智を害する欲の根源を教団に寄進せよ。」と付け加え、搾取を正当化しています。  


【 舞台の主役達 − U 】

__《 魔女 》___________________________________

 『神子』の宿敵にして、背徳の申し子です。魔女という名前であるものの、これは性別を意味せず、老若男女訳隔たりなく魔女がいます。魔女とは『魔術』を行使する術を『魔王』より与えられ、『黒山羊』の下僕として社会に混乱を招く存在です。

 『魔術』はもともと『魔王』が主神(デミウルゴスではないと彼等は言います)から盗んだ、奇跡を起こす術であり、その行使そのものが許されざる禁忌です。

 魔女は求めるまま欲望のままに社会の裏で暗躍し、高貴なる魂を堕落させ、同じ魔女に貶めて仲間を増やしていきます。彼等、彼女等が行使する『魔術』は非常に危険なもので、同じ神の奇跡に属する術でなければ抵抗の余地すらなく、その餌食となります。

 プルガトリウムでは『魔王アスモデウス』に従う一派が有名ですが、その他の魔王の魔女も確認されており、時には魔女どうしで争い合う光景も頻繁に確認されています。

__《 黒山羊 》__________________________________

 『魔女』においての『羊飼い』に相当する超越存在です。『魔王』に仕える重鎮達であり、『魔女』が現れた時は必ず『黒山羊』が裏で暗躍しています。『黒山羊』は『羊飼い』と同様に異次元に潜んでおり、直接『神子』の前に姿を表わす事は滅多になく、またその時の『黒山羊』は本体ではなく弱体化した化身でしかないと言われます。

 『黒山羊』の『魔術』は、『魔女』とは比較に成らない程に凄まじく、まさに奇跡ともいうべき規模とされ、これに抗う事ができるのは同じ『黒山羊』か、『羊飼い』以上の存在のみとされます。しかし、その奇跡は滅多に振るわれる事はなく、邪悪な陰謀は魔女に代行させている事から、これを振るうにあたっては何かしらの制限が彼らにあるのだろうと推測されています。

 『魔王アスモデウス』に仕える7人の『黒山羊』、特に「統率者オセ」は社会的な陰謀を得意とし、カヴェル教国に対してテロ活動を活発に行なっています。

__《 魔王 》___________________________________

 カヴェル教団がプルガトリウムを支配し、その体制を盤石にした後に、その存在が明らかとなりました。『奈落』と呼ばれる地獄に居城を構えた、『黒山羊』達の王にして、悪徳・背徳の権化ともいうべき性質を有しています。その思考は常人には理解できるものではない、非合理な狂気に満ちているとされます。

 捉えられた『魔女』の供述によれば、『魔王』の『魔術』は『黒山羊』のそれを凌駕し、神如き者と例えられる程のもので、その強大すぎる存在故に現世には直接顕現できないとされます。

 最も有名な『アスモデウス』率いる『黒山羊』と『魔女』の軍勢は、カヴェル教団の圧政に不満を募らせた反乱分子をまたたく間に取り込み、一時期は教国の崩壊まで後一歩というところまで追い詰めました。その際は『神子』を交えた異端査問官達の活躍により逆転勝利の域にまで持ち直しましたが、教皇から率先して行われる教団の腐敗は凄まじく、教国の内部は既に穴だらけのチーズのようと言われ、互いに決着がつかない状況になっています。

 また、『アスモデウス』をはじめとする『魔王』達は互いに激しい対立状態にあるとされ、それぞれが思うように動けない「猶予期間」に、どれだけ勢力を維持・拡大できるかが重要視されています。

 『アスモデウス』以外に確認された『魔王』として、『ルシファー』と『ベルゼブブ』の名が確認されています。その勢力は現在『アスモデウス』ほどではないにしても、確実にその勢力を伸ばしつつあると見られており、新たな脅威として警戒されています。

 なお、『魔王マモン』という名称も確認されていますが、『マモン』はカヴェル教団の初代教皇と同名でです。初代教皇の名は現在も金貨の名称として用いられる程権威のあるものであり、この名前を証言した『魔女』は、不敬罪によりその場で火炙りの刑に処され、浄化されました。初代教皇が『魔王』だったという証言は瞬く間に不平分子に広まりましたが、「あまりにも出来過ぎている」として逆に信ぴょう性が疑われ、現在は代表的な陰謀論の一つとして笑い草となっています。


【 舞台の主役達 − V 】

__《 プルガトリウムで暗躍する魔王たち 》____________________

 以下は現在確認されている範囲での魔王の情報です。その情報源は『魔女』であり、真偽性が強く疑われています。

__《 魔王アスモデウス 》____________________________

 プルガトリウムにおいて最も名の知られた『始まりの魔王』です。カヴェル教国を滅亡の淵にまで追い込んだ『魔女戦争』を引き起こした元凶であり、教国内で活動する大多数の『魔女』の盟主です。その配下である『黒山羊』は、『憤怒の破壊者ビレト』『怠惰の指揮者パイモン』『傲慢なる者どもの統率者オセ』『暴食の誘惑者サタナキア』『色欲への籠絡者シトリー』『強欲なる簒奪者ベリス』『嫉妬満ちし制裁者アミー』ら7名が確認されています。

 現在、教国において未だに最も活発、かつ勢力を維持している最大の神敵です。かの魔王の教義は『求めよ。さらば与えられん。さすれば楽園の扉は開かれる』のみであり、信徒たち人間の《罪》を肯定し、促し、煽りたてます。『魔女』によれば、アスモデウスの目的は完全なる愉快犯、鬱屈した想いや執念に支配された存在に力を与え、『自由』に行動させ、その様子を楽しむためだけに大災厄をもたらすというものです。それは『黒山羊』でも例外ではなく、7名の『黒山羊』が『魔女』を支配し、それぞれの陰謀の尖兵として差し向けるのも、その延長だといわれます。

 『魔女』たちの噂によれば、人間が『魔女』に覚醒する時に見る『無垢なる夢』、それに現れる純白のドレスに身を包んだ『アリス』という名の少女が、アスモデウスの姿の1つだといわれます。

__《 魔王ルシファー 》__________________________

 アスモデウス配下の『魔女』を追っていた【異端査問官】が、その『魔女』が同胞であるはずの別の『魔女』に殺害された現場に遭遇した事で確認された魔王です。

 ルシファー教団は暗殺組織としての活動に特化しており、さらにそのターゲットとなるのはカヴェル教団ではなく『魔女』というのが特色です。いわば、「魔女狩りの魔女」ともいうべき集団であり、そのためならば【異端査問官】と接触し、協力を持ちかける事すらあります。

 組織力規模は小さく、『魔女』が権力者に取り入るのはあくまで魔女狩りのための短期的なものであり、支配を前提としません。しかし、カヴェル教団からすれば『魔女』に違いはありません。【異端査問官】や【魔狩人】においても焼き滅ぼす対象であり、『アルコーン』とその『羊飼い』も、ルシファー教団とは明確に敵対関係にあると明言します。ルシファー教団もそれを前提として交渉を持ちかけます。

 ルシファー配下の『黒山羊』は、『ベリアル』と『ネビロス』の名前がかろうじて確認されていますが、どのような特質を有するのかはわかっていません。

__《 魔王ベルゼブブ 》_____________________________

  ルシファー教団の『魔女』が【異端査問官】に情報交換を持ちかけた際に、存在が判明した魔王です。かつて教国内に存続していた「残してはならぬ名」を持つ神の異端信仰組織の中にベルゼブブを冠する派閥があった事が確認されていますが、その組織は弾圧の嵐によって本家ともども壊滅したとされます。

 魔王ベルゼブブはかつてルシファーの配下であった裏切り者であり、ルシファー教団は、この現世にてベルゼブブの組織が再び現れれば即座に抹殺しに向かえるように監視しているのだといいます。

__《 魔王マモン 》_______________________________

  ルシファー教団の『魔女』が、【異端査問官】から逃亡する際に、彼等に向かって「マモンの犬」と罵った事から、現場の官憲が「まさか開祖様が魔王なんてないよな」とこぼした事から発生し、以後、教団に反感を強く抱く地域(つまり全国です)に爆発的速度で拡散され、その後デマとして緘口令が敷かれたという経緯を持つ、初代教皇が魔王であったらという話題で出てくる魔王です。

 噂の発端となった官憲は、その場で魔女裁判が開廷され、火炙りとなりました。教国内でこの話題を出す事は、禁忌中の禁忌とされています。

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